
九州の空港では初めてビジネスジェット旅客専用にCIQ(税関、出入国管理、検疫)手続きができるターミナル施設が、鹿児島空港(鹿児島県霧島市)にオープンした。
鹿児島県観光連盟などはコロナ禍明けのインバウンド需要を念頭に、世界自然遺産に登録された屋久島や奄美大島・徳之島を生かした観光ルートの開発も検討している。
同ターミナル施設は『桜島』と名付けられ、鉄骨平屋建て約220m2。国際線ビル北側に隣接する。専用ラウンジとCIQ手続き用スペースを設け、手続き時は国際線ビルに常勤する職員が駆けつける。
第3セクター・鹿児島空港ビルディングによると、東アジアの富裕層がプライベートジェットで中国・上海、台湾・台北、韓国・ソウルと羽田・成田方面を行き来する際、同空港が給油などで中継地的に使われており、コロナ禍前は、プライベートジェットが年間20便ほど離発着していたという。
乗客が鹿児島観光などを目的にCIQ手続きをする際は、駐機場(エプロン)から500m以上離れた国際線ビルで行っていた。施設整備は、不便さを解消し、アジアの富裕層に鹿児島での滞在時間を延ばしてもらい、観光やビジネスに役立てる狙い。
同社は1月に約1億8,000万円を投じて着工、8月末に完成していたが、コロナ感染が落ち着くのを待ってオープンした。
鹿児島空港を利用するビジネスジェットは大半が5人~7人乗り。大型機なら15人乗り。同社は1年間を通して利用が100日、離発着100便を目標にする。全国では成田、羽田、関西、中部の4空港に専用ターミナルがある。
同空港の国際線は香港、上海、台北、ソウル4都市に週40便の定期便が就航していたが、コロナ禍で運休が続いている。
【南里秀之】
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