2022年01月20日( 木 )
by データ・マックス

SDGsへの意識を根底に 古賀市を健全なかたちで未来につなぐ

古賀市長 田辺 一城 氏

誰もが平等で多様性を認め合う社会へ

古賀市長 田辺 一城 氏

 福岡都市圏の東部に位置し、豊かな自然環境や交通アクセスに恵まれた立地から、ベッドタウンや物流拠点、工業団地など多様な発展を遂げてきた古賀市。同市ではことさらに「SDGs」と打ち出してはいないものの、SDGsに資する数々のユニークな取り組みを次々と繰り出している。

 「大前提として、当市ではまちづくりや事業構築、市民生活の課題解決などのすべての政策において、常にSDGsを意識することを徹底しています」(古賀市長・田辺一城氏)。

 たとえば同市で行われている「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」は、性的マイノリティや事実婚の関係にある人々をはじめとした誰もが、大切なパートナーや家族とともに「その人らしく」人生を歩んでいけるように支援することで、市民1人ひとりが互いに人権を尊重し、多様性を認め合うことを目指した取り組みだ。また、コロナ禍においては通常の感染対策だけでなく、ひとり親家庭への緊急支援金の支給や、受験を控えた中学3年生を優先した学習支援ソフト導入済みのタブレット端末の早期配布など、市の理念である「チルドレンファースト」の下に、子育て家庭の経済格差対策や学習機会の保障でも独自の取り組みを行ってきている。

ピンチをチャンスへ、地域資源再生から新たな価値創出

インキュベーション施設へと生まれ変わった「快生館」

 その古賀市で今とくに注目を集めているのが、コロナ禍で休業を余儀なくされた市内の薬王寺温泉の温泉旅館をリノベーションし、新たにインキュベーション(新規創業・新規起業の支援)施設「快生館」として再生させた取り組みだ。これは、市の重要な地域資源の喪失の危機というピンチを逆にチャンスと捉え、温泉旅館施設の単なる復活ではなく、新たな活力を生み出す可能性を秘めた施設へと転換させるユニークな試み。ライフスタイルや働き方の多様化に対応するだけでなく、市内外の多彩な人材の交流を促すことで新たな価値を創出し、それを市全体に波及させていきたい考えだ。

 「薬王寺だけでなく、玄望園や青柳地区などへの企業誘致による産業振興、そして『一丁目一番地』に掲げるJR古賀駅周辺の中心市街地の本質的な再生など、市全体の持続可能性を高めていくために、本市の産業力を強化していく必要性があります。そうした経済の発展や産業の振興以外にも、健康や福祉、教育、自然環境などのまちのあらゆる要素を、SDGsへの意識を根底に置きながら、健全なかたちで未来につなげていきたいと思います」(田辺市長)。


<プロフィール>
田辺 一城
(たなべ かずき)
1980年5月、古賀市出身。福岡県立福岡高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年に毎日新聞社入社。11年4月に福岡県議会議員に初当選し、2期務める。18年12月に古賀市長に就任。現在1期目。

関連記事