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2021年11月25日 17:07

小池都知事「体調万全」強調も、払拭しきれぬ「重病説」

小池百合子東京都知事

 「過度の疲労」で10月27日に入院、重病説が流れていた小池百合子東京都知事が11月21日、3週間半ぶりに登庁して全国知事会のオンライン会議に出席した。取材にも応じて「体調も万全」と強調。一部メディアが報じていた年内辞任説を打ち消した。

 月刊誌「FACTA」オンラインは11月14日、「小池都知事が重病・再入院か/「12月定例会」への出席が焦点/「年内辞任」説が広がる」と銘打った号外速報で、「一部では『肺がん説』も囁かれる」「自民党は、水面下で『ポスト小池』の候補者選定に着手し始めたようだ」と指摘。すると、11月17日の日刊ゲンダイも「小池都知事に年内辞任情報! 永田町で早くも飛び交う“後継候補”の名前」と題して、後継候補として丸川珠代・前五輪大臣や片山さつき・元地方創生担当大臣らの名前とともに、橋下徹・元大阪市長が出馬する可能性にも触れた。

 「東西で自治体トップをおさえ、来夏の参院選に突入すれば、全国政党への近道。『政界復帰を否定する橋下徹氏も都知事ならあるかもしれない』(維新関係者)と鼻息が荒い」(11月17日の日刊ゲンダイ)。

 維新ウォッチャーもこう話す。
「橋下氏が政界復帰を否定する一因は、子どもへのイジメと聞いていますが、政治家引退は6年前の2015年。すでに学校でイジメを受けない年ごろになっている可能性は十分にある。政界復帰の環境は整いつつあるのではないか」

 日刊ゲンダイ登場の維新関係者が都知事選出馬を匂わせたのは、橋下氏が政界復帰可能な状況にあることとともに、全国政党化の切り札として橋下都知事誕生シナリオが練られていることを示唆するものだ。

橋下徹氏(写真左)と
日本維新の会・松井一郎代表(写真右)

 「維新のベストシナリオは、総選挙の勢いを駆って首都・東京のトップを取ること。維新関係者が小池知事の早期辞任説を積極的に広める動機は十分にあるし、実際にそうしているようだ」(維新ウォッチャー)。

 4年前の動きとも符合する。2017年の総選挙で希望の党代表だった小池知事は「三都(東京・名古屋・大阪)物語」を掲げて松井一郎・維新代表らと会見、希望と維新で選挙協力(大阪と東京での候補者のすみ分け)をすることになった。

 今回の総選挙でも途中で頓挫したものの、実質的な小池新党「ファーストの会」が結党会見を開いたときには「維新と連携するだろう」と見られていた。両者の関係は以前から良好であるのは間違いないが、小池知事辞任となれば、話は別だ。総選挙で「ファーストの会」が候補者を出していれば、票を投じたであろう東京の第三極支持層を維新が取ってしまおうという考えが芽生えてもまったく不思議ではないのだ。

 首都奪還を目指す自民と“小池票”の丸取りを狙う維新が早期辞任説を盛んに発信、その火消しに小池知事が追われているという攻防が展開されているように見えるのだ。

 しかも21日の登庁で重病説が完全に払しょくされたわけではない。都議選中の過労入院と同様、今回も入院先は明かされず、診断書も公開されていない。「通院しながら肺がんの治療を続けている」という可能性は消え去っていないのだ。

2012年7月の山口県知事選
一番左が山本繁太郎候補(前知事)

 思い出すのが、肺がんをひた隠しにして知事を続けた山本繁太郎・前山口県知事だ。2012年7月の知事選で安倍晋三・元首相らが擁立・支援をして当選をしたが、当初から肺がん説が囁かれていた。実際、山本氏は入退院を繰り返しながら知事を約1年4カ月続けた後、2014年1月9日に辞任。翌々月の3月15日に肺がんで亡くなった。肺がん説を認めずに約16カ月知事を務めたが、その2割が入院期間だった。

 「肺がんとわかって知事選に担ぎ出した」「末期がんとわかっていたのに知事辞任をさせなかった」という疑いの眼差しが、県知事選で陣頭指揮を取った安倍元首相に向けられたのはこのためだが、水面下では自民党県連が知事選の候補者選定をスタート、現在の村岡嗣政知事を山本知事辞任とほぼ同時に擁立した。県政ウォッチャーはこう振返る。

飯田哲也氏(写真右)と安倍昭恵夫人(写真左)

 「2012の山口県知事選で善戦、再挑戦する構えを見せていた飯田哲也氏を断念させるための“フライング選挙”でした。安倍首相らは『山本知事が肺がん末期で復帰困難』ということがわかっていたので水面下で候補者選定を進める一方、県民に対しては『復帰する可能性がある』かのように伝え続けた。候補者を決定して万全の体勢を整えるまで知事辞職を引き延ばし、肺がん治療に専念させなかったともいえます。案の定、知事辞任からほとんど間を置かないタイミングで県知事選候補者の村岡氏(現・知事)の擁立が決まった」。

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 もちろん現時点では小池知事が重病である確証は何もないが、過去に知事辞任必至の病状をひた隠しにした事例があるのも事実なのだ。11月26日には小池知事が復帰後初の定例会見に臨むが、約1カ月のブランクについてどう説明するのかが注目される。

【ジャーナリスト/横田 一】

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