ブランド糸島、市民1人ひとりが誇りをもてる豊かなまちへ
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糸島市長 月形 祐二 氏
新たなランドマークへの期待(つづき)
――九大の存在を生かした国際村構想も、本格的に動き出しました。
月形市長 九大の南ゲート側で、海外からの研究者や留学生らの受け入れ拠点となる新しい街「九州大学国際村」の整備を進めています。第1弾として、国際寮「セトルインターナショナル」、宿泊施設「グローカルホテル糸島」がオープンしました。
加えて、伊都キャンパス周辺に研究機関や企業を集積する「糸島サイエンス・ヴィレッジ構想」もスタートしています。母体組織として今年10月、(一社)SVI推進協議会が設立されました。同協議会では九大の知的資源を基にした新しい技術の実用化・事業化を目指し、研究機関や企業の立地を促進していく予定です。
――九大以外にも、よかまちみらいプロジェクトコンソーシアムとの連携で、移動サービスの拡充にも取り組まれています。
月形市長 福岡市の中心部から糸島まではJR筑肥線1本でつながっており、交通利便性は高いのですが、糸島の玄関口となる筑前前原駅からの二次交通は十分とはいえない状況でした。
昭和グループを中心とするよかまちみらいプロジェクトコンソーシアムによるオンデマンドバスの運行や超小型EVのシェアなど、最先端のモビリティ・サービスの実証実験によって、通勤・通学、買い物など、日常生活や観光におけるさまざまな交通課題が解消されることを期待しています。
糸島の豊かさを未来へつなぐ
――最後に、3期目を迎えることになった場合に挑戦したいことなどについて、お聞かせください。
月形市長 世界的な取り組みであるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けては、糸島市としても努力していかなければなりません。
超高齢化社会において、市民1人ひとりが健康を維持し、地域社会と関わり合いをもちながら、生きいきと暮らしていけるようにするためにも、行政がしっかりと責任をもって支援していかなければなりません。もし市民の皆さまからご信任いただけたなら、誰もが安心して住み続けることのできるまちづくりの実現を目指してまいります。
――まちづくりの基礎となる人口で見ると、総合計画では2030年の将来人口を10万4,000人と設定しています。
月形市長 人口減少期に入ることも考慮しながら設定した数字なのですが、今年9月末時点の住民記録による人口世帯調べの結果では10万3,020人となっており、10年後の10万4,000人というのは、現実的な目標数字となっています。
ただ、繰り返しになりますが、糸島の魅力というのは豊かな自然や悠久の歴史のなかで培われた、ゆったりとした時間の流れのなかにあります。この魅力を損なうことがないように、次世代により良いかたちで糸島を引き渡す責務が私にはあります。そのためにも、糸島のさらなる魅力向上に向けて、これからも一所懸命に取り組んでいきたいと考えています。
【代 源太朗】
<プロフィール>
月形 祐二(つきがた・ゆうじ)
1958年6月生まれ。糸島郡志摩町桜井(現・糸島市志摩桜井)出身。西南学院高等学校、西南学院大学法学部を卒業後、(株)モリタに入社。その後、86年から2002年11月まで衆議院議員太田誠一氏の秘書を務め、03年4月の福岡県議会議員選挙で初当選し、福岡県議会議員を3期10年務めた。14年2月に糸島市長に初当選し、現在2期目。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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