2022年05月27日( 金 )
by データ・マックス

終わりの見えないコロナ禍で利益拡大に走るワクチンメーカー(後)

国際未来科学研究所
代表 浜田 和幸

ワクチンメーカー「嬉しい悲鳴」

 日本人もそうですが、コロナに変異種が見つかる度に、メディアが大騒ぎするため、皆がパニック状態に陥いるという繰り返しが起こっています。政府も「ワクチンが切り札」といった他力本願の対応に終始し、値段に糸目を付けず、海外のワクチンを大量に買い付けているばかりです。根本的な解決策を打ち出すことはありません。

 結局、新種のウイルスが見つかるたびに、新たなワクチン接種が必要とされ、ワクチンメーカーは製造が間に合わないという「嬉しい悲鳴」を上げているわけです。とはいえ、もともと2年前に中国武漢で確認されたCOVID-19と呼ばれる新型コロナウイルスですが、発生源やその変異過程の特定すらできていません。

 今回のオミクロン株にしても、その実態は明らかにされないままです。本当に恐れるべきものなのか、また、繰り返しワクチンを接種する必要があるのか、しっかりと納得できる説明をするのが「国民の生命と財産を守る」政府の使命ではないでしょうか。現状は「特定のワクチンメーカーの利権を擁護する」ことで終わっているように思えます。北里柴三郎の思いが偲ばれる今日この頃です。

ワクチン イメージ    オミクロン株の登場でワクチン市場は活性化する一方です。日本ではファイザーとモデルナのワクチン接種が推奨されていますが、とくにファイザーの圧倒的な市場占有率が目立っています。同社のブーラ社長は「2022年3月までにオミクロン株の予防ワクチンを市場に投入できる」と発言。

 すでにファイザーもモデルナも新型コロナウイルス用のワクチン販売が絶好調で、両社の経営陣や投資家は110億ドルを越える利益を得ています。オミクロン株が確認された11月末から12月頭の短期間でファイザーの株価は7.41%、モデルナの株価は13.61%の急上昇を遂げました。

 オミクロン株の発見者といわれる南アフリカのコエッツィー博士曰く「南アフリカではオミクロン株で入院したり重篤化した人はほとんどいません。というより、この新たな変異株の性質はまだ解明されていないのです。確かに、感染のスピードは速いのですが、デルタ株ほど危険ではなさそうです」。

 問題はそうした見方はメディアでは報道されず、一部のワクチンメーカーがここぞとばかり危機感を煽り、やたらとワクチン価格を釣り上げていることです。そんな中、英国の公共テレビ局「チャンネル4」が放送した「ワクチン戦争:ファイザーの真実」と題したドキュメンタリー番組が話題となっています。

 なぜなら、ファイザーが医者や医療関係の専門家にお金をばらまき、ライバル企業のワクチンに関する偽情報を流してきたことが暴露されたからです。ファイザーが敵視したのは英国のオックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発したワクチンに他なりません。ファイザーに雇われた専門家は「アストラゼネカのワクチンは免疫力を破壊し、ガンを誘発する」といったデマを拡散したとのこと。

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 その一方で、ファイザーは製造原価の300倍を超す高値で自社のワクチンを先進国に売りまくっていることも紹介されました。実は、アストラゼネカのワクチンは値段も安く、WHOが「世界を救うワクチン」と折り紙つきで広めようとしていたものです。しかし、ファイザーの偽情報キャンペーンが効果を発揮したせいか、日本でもほかの国々でも採用されていません。イベルメクチンと同じ状況に追いやられているようです。

 カナダでの批判的な放送を受け、ファイザーでは「製造原価以外にも治験段階での開発コストがかかっている」との反論に努めていますが、説得力に欠けています。これが製薬業界の実態なのかも知れませんが、人命よりお金儲けが優先されているとしか思えません。この点をしっかりと踏まえ、本当に恐れる必要があるウイルスかどうか、また、ワクチンの安全性や効果についても検証可能なデータとわかりやすい説明が政府には求められます。

(了)

浜田 和幸(はまだ・かずゆき)
 国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。最新刊は19年10月に出版された『未来の大国:2030年、世界地図が塗り替わる』(祥伝社新書)。2100年までの未来年表も組み込まれており、大きな話題となっている。最新刊は『イーロン・マスク 次の標的「IoBビジネス」とは何か』(祥伝社新書)。

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