2022年08月14日( 日 )
by データ・マックス

政治への入口になってみせる それが「れいわ」の使命(4)

山本 太郎(れいわ新撰組代表)

 ゼロ議席もあり得るとの悲観的事前予測を超える3議席(実質的には4議席)を獲得した、山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が再び、永田町に“旋風”を巻き起こす兆しが出てきた。総選挙で最後の1議席(近畿比例ブロック)に滑り込んだ“維新キラー”こと大石晃子衆院議員が、維新副代表の吉村洋文・大阪府知事に文通費(文書通信交通滞在費)問題で特大ブーメランを浴びせ、日曜討論でも「大阪は人口あたりのコロナ死者数は国内最大」と維新への批判を炸裂させるなど、議席4倍増で勢いづく維新の出鼻を挫(くじ)く斬り込み隊長役をはたしたのだ。

 ──政権交代で実現する共通政策の内容を語っていれば、総選挙の結果は違ったのでは。

昨年衆院選後の初登院。れいわから当選した3人組はマスコミの注目を集めた
昨年衆院選後の初登院。
れいわから当選した3人組はマスコミの注目を集めた

    山本 世田谷で小さな街宣をやっていたときに「れいわはカルトだ!」と大声で叫ぶ女性がいました。世田谷のマダムがそんな発言をするのかと思って、「ちょっと待ってください。カルトってどういうことですか。ちょっと聞かせていただきたい」と近づいて行きました。そうしたら「あんたらは共産党と一緒に自衛隊をなくそうとしている」というのです。そのときは「違いますよ」と話して誤解を解きました。共産党に対してネガティブキャンペーンを張る方もいるでしょうし、そこに巻き込まれることもあるでしょう。ただし、逆のこともあると思います。「れいわなんかと手を組んで」とか、いろいろなパターンのプロパガンダが出てきていますから。一緒にやるということは、そういったネガキャンを乗り越えていかに「私たちはこれをやるのだ」とプレゼンするのかが重要だと思っています。そこまでやって戦う準備をする時間が今回の総選挙ではなかった。準備をする時間がなかったのか、もともと準備をする気がなかったのかはわかりません。とにかく「選挙区を空けてよ」という雰囲気が強かったのだと思います。ハッキリと言ってしまえば、インパクトが薄かったということです。「今の自民党ではまずいが、頼れるような政党がない。けれども、こいつら(野党4党)が塊になって『これ(野党共通政策)をやる』と言っているから、自民党にお灸をすえる意味で野党に投票しようか」と自民党支持者にも思わせるようなパッケージが必要だった。

 ──参院選では、野党共闘の新たなかたちを模索、検討していくということか。

 山本 「未来永劫、野党共闘をしていこう」と誓い合ったわけではないので、これがそのまま更新されるわけではないということです。

 ──3人の衆院議員が所属している委員会がなかなか開かれない。国会論戦の機会が少ないことについて、どのような手を打つのか。

 山本 170日以上、国会が開かれていないのは異常事態ですよ。今は平常時ではない。25年間の不景気にコロナまでやってきた大災害のなかにもかかわらず、170日以上も国会が開かれずに、臨時国会で通った今回の補正予算はケチくさい内容です。2021年度は補正が今回の1度のみ。2020年は3度も補正予算が組まれているのにおかしいでしょう。国会が開かれないことによって、手当を受けられない人や事業者がどんどん倒れていってしまう。もうすぐ臨時国会が閉じますが(※インタビューは12月16日実施。閉幕は21日)、たった17日間ですよ。そのなかで私たちが国会で発言する機会は1度もない。予算以外の委員会も今回は開かれない。だから本当にひどい! ゴミみたいな永田町!(笑)

 ──2022年も全国各地での街宣や集会で支持者拡大をして参院選につなげる?

 山本 支持していただけるのはありがたいのですが、究極は「どちらでもいい」のです。もちろん支持をしてくれる方を増やしたいし、増えるのはありがたいことですが、れいわの究極の目的の1つは政治の興味への「入口」になることです。入口の役割を担うのはすごく大きな仕事で、「政治に興味をもつきっかけがれいわだった」という人が増えて欲しい。れいわを通り過ぎるだけでも十分に意味があることだと思っているのです。必ずしも支持者拡大のためだけではなくて、「政治のことを話していくのを普通にしていこうぜ」という政治参加の入口になってもらえたらいいなと。だからこそ、れいわに興味をもっていなくても、「まったく無関心な人を連れてきて」と呼びかけるかたちでやっていきたい。「こんな議論をしてもいいのだ」とか、「政治のことがわからくても発言していいんだよ」というところからスタートしていきたいと思います。

(了)

【まとめ/ジャーナリスト 横田 一】


<プロフィール>
山本 太郎
(やまもと・たろう)
1974年11月24日生まれ。兵庫県宝塚市出身。91年1月、私立箕面自由学園高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場して芸能界入り、同年俳優デビュー。数々のヒットドラマや映画に出演。2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞、03年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。11年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。13年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬し66万6,684票を得て当選。14年12月、政党「生活の党と山本太郎となかまたち」に合流し15年1月に共同代表。16年10月、政党名を「自由党」に改称、共同代表。18年11月、文教科学委員会、東日本大震災復興特別委員会、資源エネルギーに関する調査会に所属。19年4月、自由党と国民民主党の合流には加わらず「れいわ新選組」を旗あげ。19年7月、参議院議員選挙に比例区より出馬、99万2,267票を得るも落選。れいわ新選組の得票率が2%を超えたことから政党要件を満たした党代表となる。20年6月、都知事選挙にれいわ新選組公認で出馬、65万7,277票を得るも落選。21年10月、衆院選東京ブロックにれいわ新選組公認で出馬して当選。趣味はサーフィン。

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