2024年04月25日( 木 )

岸田首相の2022年―日中国交正常化50周年と参議院選挙~アザーニュース

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

DEVNET INTERNATIONAL
総裁 明川 文保

 Net I・B-Newsでは、ニュースサイト「OTHER NEWS」に掲載されたDEVNET INTERNATIONALのニュースを紹介している。DEVNET(本部:日本)はECOSOC(国連経済社会理事会)認証カテゴリー1に位置付けられている一般社団法人。「OTHER NEWS」(本部:イタリア)は世界の有識者約14,000名に、英語等10言語でニュースを配信している。今回は26日掲載の記事を紹介する。

日中関係 イメージ    岸田文雄首相は1月1日に放送されたラジオ番組で、日中国交正常化から今年で50年を迎えることについて、「本来であれば、お祝い気分になるのかもしれないが、現状を見ると緊張感をもって、この関係をどう安定させるのか、日本の外交のしたたかさみたいなものが問われる年になる」と述べた。首相は中国が活発な活動を続ける沖縄県・尖閣諸島周辺や人権状況が問題視される香港、新疆ウイグル自治区について触れ、「しっかりと問題提起をする」と主張。一方で、「経済的なつながりを考えると関係は安定させなければいけない」と中国との関係悪化は避けたい意向を示したほか、「今後の動き、北京五輪後どんな雰囲気になるのか見ていかなければならない」とも話した。

 日本政府は2月の北京五輪・パラリンピックに、閣僚ら政府高官を派遣しないことを決めた。ただ、最大の貿易相手国である中国の存在は大きく、新疆ウイグル自治区や香港の人権問題を前面に出すことは控えた。この対応に中国外務省の報道官は、アメリカやオーストラリアの時と違い「強烈な不満と断固とした反対」という表現は使わず、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長という立場で参加する橋本聖子氏(参議院議員)の訪問を「歓迎する」とまで言っている。中国は日本との関係をこれ以上、悪化させたくないという思惑もあるのだろう。

 習近平国家主席の国賓来日は延期されたままではあるが、岸田首相は就任直後の昨年10月8日、習近平主席と電話会談し、「建設的かつ安定的な関係を共に構築していかなければならない」と述べている。習主席も賛意を表し、日中関係を発展させていくことへの意欲を示した。日中双方の意識調査では、日中関係を「重要」または「どちらかといえば重要」と考える人が3分の2を超える。日中経済協力の必要性についても同様だ。日中関係を発展させるためにも9月の日中国交正常化50周年は大変重要である。しかし、岸田首相は、その前にまずは7月に行われる参議院選挙に勝たなければならない。

 先週発表された岸田内閣の支持率(時事通信)は51.7%で、政権発足時から上昇傾向が続いている。新型コロナウィルスへの「先手先手の対応」が国民から評価されている為だ。しかし、世界で猛威を振るうコロナ新変異種オミクロン株の感染拡大は、日本でも急速に進行し、事実上「第6波」に突入する状況となっている。今後の感染爆発は必至で、岸田首相が対応を誤れば、支持率も急落するだろう。7月の次期参議院選挙は、昨年の衆院選に続く国政選挙で、岸田首相が衆院選に続いて参院選も制すれば、最低3年の本格安定政権が現実となる。

 自民党と同様に憲法改正に積極的な日本維新の会は、参院選挙で党勢拡大を目指している。その選挙結果次第では、悲願の憲法改正も現実的な視野に入ってくるであろう。2022年は岸田首相にとって大きな勝負の年となるはずである。

関連記事