地域活性化のために力を尽くす 九州アスティーダに込めた思い（後）

（株）グリーンクロス
代表取締役社長　久保 孝二 氏
九州アスティーダ（株）
代表取締役社長　川面 創 氏

増加する卓球人口 卓球を通じて夢が広がる

    ──卓球は、どんどんポピュラーなスポーツになっているように感じます。

　久保　現在、日本で年に1回は卓球をする卓球人口は800万人を超えると聞いています。一昔前、卓球はサッカーや野球に比べて地味なスポーツという印象が強かったと思いますが、福原愛選手が世に出てきた1990年代ごろから日本での知名度も徐々に上昇しています。その後、水谷隼選手、石川佳純選手、伊藤美誠選手、張本智和選手などが現れ、ロンドンオリンピックでメダルを取るなどの成果を挙げたことで、卓球は現在の地位を確立していったと感じています。現在は年俸が1億円を超える選手もざらにいるようです。この点でも、卓球は夢のある競技として世に浸透してきているのではないでしょうか。

　──ほかのスポーツと比較した卓球の魅力を教えてください。

　川面　なんといってもスピード感が大きな魅力の1つです。選手たちが打っている球は最速で時速200kmにもなり、1秒間にコートを3往復すると言われています。また、見た目以上に奥が深いのも魅力です。選手たちはボールを当たり前のように打ち返しているように見えますが、実際には回転などの変化がかかっているボールが多く、一般の人が打ち返そうとしてもそう簡単ではありません。皆さんに一度体験、観戦してほしいと思います。加えて、老若男女問わず楽しめるのも魅力です。3歳の子どもと90歳の大人が一緒にプレーできるスポーツはほかになかなかないと思います。

　──試合の様子は観戦できるのでしょうか。

　川面　会場で観戦できるほか、Amazon Prime、dTVで全試合を生中継していますので、試合中はいつでも遠くから観覧することが可能です。現在は東京の企業が放映しているのですが、今後はグリーンクロスさんに制作していただいたインタビューボードやポスターを使用し、九州アスティーダらしさをもっと押し出した地元発の放送を増やせればと思っています。最近、久保社長にも会場まで観戦にきていただき、イベントについて意見交換するなかで、つくりたいイベントのイメージが出来上がってきました。今後、より皆さんに楽しんでもらえるものができると心を躍らせています。

　久保　当社は安全機材・保安用品の販売とレンタルをメイン業務とする傍ら、グラフィックサインの企画・製作・販売、広告代理業も手がけてきました。従来からモノづくりに関しては多方面で行ってきましたが、今回新しくスポーツ分野に挑戦したかたちになります。1999年に「メディア事業部」を設置し、企画開発、デザインなどはすべて同部が手がけているような状況です。Tリーグに関連する商品としては、インタビューボード、ポスターに加え、横断幕などを手がけています。

　──九州アスティーダの今後の抱負についてお聞かせください。

　川面　21年4月に発足し、まもなく1周年になります。発足してすぐの非常に重要な期間をグリーンクロスの久保社長と一緒に取り組むことができ、とても誇りに思っています。恩返しをしていくためには、やはりチームを大きくしていくしかないと思っています。今後、多くの市民の方が九州アスティーダを応援してくれるようになり、そのときにグリーンクロスの社員の方々が「私たちの会社は、このチームのメインスポンサーとして深く関わりをもっている」という事実について誇らしく感じていただき、頑張っていくための活力になるのであれば、これほどうれしいことはありません。

（了）

【文・構成：立野　夏海】

＜COMPANY INFORMATION＞
（株）グリーンクロス
代　表：久保　孝二
所在地：福岡市中央区笹丘1-17-29
設　立：1971年7月
資本金：6億9,726万円

九州アスティーダ（株）
代　表：川面　創
所在地：福岡市中央区天神2-3-36
設　立：2021年4月
資本金：100万円 

久保　孝二（くぼ　こうじ）（左）
1971年2月生まれ、長崎県出身。89年に大阪教育大学中退。98年7月（株）グリーンクロス長崎支社に営業として入社。2000年8月久留米支社長代理、04年5月営業開発次長、05年5月執行役員営業開発部長、08年7月取締役などを歴任。11年4月代表取締役社長に就任。

川面　創（かわつら　はじめ）（右）
1976年5月生まれ、三重県出身。99年に立命館大学を卒業後、実業団・百五銀行で選手としてプレーした経験をもつ。2004年に立命館大学女子卓球部の監督となったのち、21年に九州アスティーダ（株）の代表取締役社長兼監督に就任。