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2016年10月03日 14:41

呉服専門店「さが美」争奪戦が勃発。2つの投資ファンドのトップの素性(前)

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)は9月26日、呉服店を展開する子会社(株)さが美(東証一部上場)の買収提案を、投資ファンドのニューホライズンキャピタル(株)(港区西新橋)から受けたことを明らかにした。さが美はすでに投資ファンドのアスパラントグループ(株)(港区赤坂)による買収で合意しており、対抗的な提案になる。両ファンドのトップは、その世界では有名人。はたして、どちらに軍配が上がるか?

アスパラントグループは1株56円でTOBを実施

wafuku2 (株)ユニーグループホールディングス(GHD)は、9月1日の(株)ファミリーマートとの経営統合に先立ち、不採算の総合スーパーやコンビニエンスのサークルKサンクスなどの閉店計画を打ち出した。
 その整理の一環として、保有する呉服専門店さが美の全株式を投資ファンドのアスパラントグループに12億円で売却することを決めた。これは、発行済み株式の54%に当たる。アスパラントが組成する投資ファンドが買い付けに応じる。売却価格は1株56円。買い付け期間は8月18日から10月11日まで。同時に、ユニーGHDが持つさが美への貸付債権34億円も16億円分放棄、18億円でファンドに売却する。

 さが美は1974年、ユニーの旧ほていや系呉服部門64店を引き継いで設立。親会社のユニー依存の出店から脱却し、ナショナルチェーンを目指し広域出店を開始。85年東証二部に上場した(91年、東証一部に指定替え)。
 しかし近年、着物需要が減少し、赤字経営が常態化。16年2月期の売上高は前期比3%減の209億円、最終損益は10億円の赤字。決算短信に、5期連続の営業損失を計上して、継続事業の前提に関する重要事象を開示していた。合併の足かせになる不採算会社の切り離しが目的である。

ニューホライズンキャピタルが1株70円で対抗提案

 さが美はすでに、投資ファンドのアスパラントグループ(以下・アスパラ)による買収に合意している。しかし、アスパラが実施中のTOBの期限が10月11日に迫るなか、投資ファンドのニューホライズンキャピタル(以下、ニューホラ)がさが美買収に名乗り上げた。これで“さが美争奪戦”が一気に火を吹いた。

 買収提案は、当然のことながら後出しジャンケンのニューホラが勝る。買い付け価格は、アスパラは1株56円、ニューホラは1株70円。ユニー・ファミリーマートホールディングス(以下・ユニファミマ)にとっての株の売却額は、アスパラ案なら12億円、ニューホラ案なら15億円で、3億円の開きがある。
 双方ともユニファミマが保有するさが美向けの債権34億円を買い取るが、購入額はアスパラが18億円に対して、ニューホラは18億円以上とする。しかも、アスパラの提案にはない、さが美の5億円の第3者割当増資を引き受ける条件を付けた。
 さが美を買収するための支払い総額は、アスパラが30億円、ニューホラは38億円で、8億円の開きがある計算になる。

 ユニファミマは、アスパラと売買契約を結んでいる。しかし、ニューホラの提案に比べ価格で劣るアスパラを選んだ場合、その理由を自社の株主に説明する責任が生じる。
 ニューホラが対抗買収を提案したため、さが美株は急騰。9月29日、一時34円(23%)高の179円をつけた。先週末終値と比べて上昇率は2.3倍に達した。

(つづく)

 
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