2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

中国水素エネルギー産業、35年に百兆円級市場に(後)

水素エネルギー産業をめぐるイノベーションチェーンを計画

水素 配管 イメージ    中国の水素エネルギー産業は、現在は発展の初期段階にあり、効率の高い完備した産業チェーンはまだ形成されていない。「追いかけ」から「追いつき」、さらに「追い越す」へと転換するにはどうすればいいか。カギは産業チェーンをめぐるイノベーションチェーンを計画することにある。

 同計画は4つの面より、水素エネルギー産業チェーンのイノベーション能力建設を計画した。

 (1)基幹コア技術に焦点を当てる。グリーン・低炭素の水素エネルギー生産・貯蔵・輸送・利用の各プロセスにおける基幹コア技術の研究開発を推進し、水素エネルギーの先端技術、基幹設備、重要な製品のモデル応用と産業化発展を持続的に推進し、水素エネルギー産業の質の高い発展に向けた技術体制を構築する。

 (2)イノベーションをサポートするプラットフォームに焦点を当てる。水素エネルギー産業の重点分野とカギとなる段階をめぐり、多層的なイノベーションのプラットフォームを構築する。リーディングカンパニーが率先して、産業イノベーションセンター、プロジェクト研究センター、技術イノベーションセンター、製造業イノベーションセンターなどのイノベーションプラットフォームを配置し、キーテクノロジーの開発と産業化応用を展開することを支援する。大学や科学研究機関などが科学研究能力の優位性を発揮して、重点実験室、最先端の学際的な研究プラットフォームを建設し、水素エネルギーの基礎研究と先見性ある技術研究を展開することを支援する。

 (3)専門的人材のチームに焦点を当てる。水素エネルギー技術・設備を専門とするハイレベル人材の誘致と育成を支援する。

 (4)国際協力のチャンスに焦点を当てる。中国国内の市場の優位性を十分に利用し、情勢に応じて有利になるよう誘導し、水素エネルギーの科学・技術をめぐる国際共同研究開発を展開し、水素エネルギーの全産業チェーンにわたる技術、材料、装備のイノベーション協力を推進し、国際水素エネルギーイノベーションチェーン・産業チェーンを構築する。

資本市場の資金調達の円滑さがより多くの関連企業の上場につながる

 同計画は水素エネルギーが将来の国のエネルギー体制の重要な構成要素であり、戦略的新興産業と将来の産業の重点的発展の方向性であることを明確にしただけでなく、条件を満たした水素エネルギー企業がハイテク企業向けの株式市場「科創板」や「創業板」に登録上場して資金調達を行うのを支援することもとくに記している。

 国際新経済研究院の鄭磊副院長は、「中国の水素エネルギー産業はまだ発展の初期段階にあり、産業のイノベーション能力が弱いとか技術装備の水準が低いなどの問題が引き続き存在する。そのため、資金面の支援を行って、技術の研究開発が進むよう支援することが差し迫って必要だ。コストが非常に高くつく社債発行による資金調達に比べ、資本市場での株式発行による資金調達は『コストパフォーマンス』がより高いことは明らかだ」と述べた。

 同計画は条件を満たした水素エネルギー企業が科創板や創業板に登録上場して資金を調達することを支援するほか、金融面での支援も強化する必要があると提起した。

産業の重要な好材料 水素エネルギー企業が発展の「春」を迎える

 中国水素エネルギー連盟の予測では、中国水素エネルギー産業の付加価値額は20-25年の間に1兆元に達し、26-35年の間に5兆元(約99兆円)に達するという。

 関連企業もこの1兆元規模のレースでさらに加速しようとしている。

 中国の大型トラック分野の重要な力としての陝西汽車控股集団有限公司も水素エネルギーの燃料電池を使用した大型トラックの応用を加速的に普及させている。同集団傘下の徳創未来汽車科技有限公司は水素エネルギーの燃料電池を使用した大型トラック3車種をすでに河北省や上海市などのエリアで推進・拡大しており、そのうちの1種類の水素燃料電池トレーラーは顧客への引き渡しを終え、まもなく陝西省の楡林エリアで稼働する。

 中国水素エネルギー産業技術イノベーション・応用連盟の李洪執行事務局長は、「政策による奨励と資本によるバックアップが、水素エネルギー産業の高速発展をもたらした。水素は効率の良いエネルギー貯蔵の媒質であり、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーと結びついてクリーンな水素を生産すれば、水素エネルギーの自動車分野や工業用水素分野への応用が可能なだけでなく、エネルギー貯蔵資源として、電力ネットワークサイドのピーク抑制、出力調整に関わることもでき、水素エネルギー関連企業の業務展開に新たな発展の可能性をもたらすことになる」と述べた。

(了)


中国経済新聞を読もう

<連絡先>
(株)アジア通信社
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:china@asiahp.net
URL:http://china-keizai-shinbun.com

(前)

関連記事