水道創設100周年、福岡市の節水型都市づくり
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水のリサイクルのパイオニア都市
全国で初となる再生水の供給に踏み出すなど、水のリサイクルのパイオニアとなった福岡市は、400カ所を超える場所で再生水を供給。その供給面積は1,400ha以上と広大で、東京ドーム約300個分にもおよぶ。
水のリサイクルや漏水防止対策を拡充し続けた結果として、市では人口が毎年増加し続け160万人を突破したものの、1日当たりの平均給水量は約41万m3で推移しており、ほぼ変わらないという状況が生まれている(下表参照)。
画像:③1大渇水の経験に起因する市民の節水意識の高さが、世代間で継承されていることもあるだろうが、節水型都市の構築に際して大きな役割をはたしたのは、やはり官主導による取り組みだろう。
市は2003年に福岡市節水推進条例を公布した(同年施行)。同時に、福岡市再生水利用下水道事業に関する条例も施行されている。
節水推進条例では、共同住宅、倉庫、駐車場などの部分を除く床面積の合計が、基準面積5,000m2(再生水が供給される区域内では3,000m2)以上の建築物を新築・増築する場合は、水洗トイレに雑用水道の設置を義務化。違反者は名称が公表されるなどのペナルティが課せられることもあり、高い効力を発揮した。
福岡市再生水利用下水道事業に関する条例は、広域循環型雑用水道を選択した場合の再生水の利用について、供給区域、利用手続、料金などの必要事項を定めたものとなっている。
大渇水を教訓とした水源確保と、供給網の整備や充実。そして、条例の施行による節水機器設置の標準化。これらが相乗効果を生み出すことに成功し、今日の節水型都市につながっている。福岡市水道局では、今回の100周年記念事業を通じて、「いついかなる場合でも安全でおいしい水道水を供給する」という水道事業者の使命を新たに、次世代への持続可能な水道の承継を目指す。
福岡市水道局 総務課 武藤 氏
今後も、ICT技術の積極的な活用による業務の効率化や脱炭素社会の実現に向けた取り組みなども進めながら、水道施設の計画的な維持・更新や、自然災害に備えた危機管理対策の強化など、各施策を着実に推進してまいります。
(了)
【代 源太朗】
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