好みの家を具現化、戸建のプラットフォーマーへ

新たなコラボ、新規事業を進め全国展開へ

    ──新規事業やこれから注力する事業について、お聞かせください。

　瀬口　まず1つは、AIを活用した住宅プラン提案サービス「My Home Robo（マイホームロボ）」の提供を始めました。これは住宅CADメーカーである安心計画（株）と共同開発したもので、電子アンケートなどにより集めたエリアや年齢層などによって違うさまざまなお客さまの要望をビッグデータとしてAIで解析し、お客さまへのプランや商品企画のご提案、さらに全国の工務店さまの支援につなげていくシステムです。人手不足のなかで、工務店さまによっては図面作成に1週間から長くて3週間くらいかかるケースもあると聞きますが、このシステムであれば最短5分で図面を含めた提案書をつくることができます。2,000以上のプランが利用可能で、高精度CGの外観パース・内観パースも標準で準備しているほか、オプションでVRをご利用いただくことも可能です。すでにご活用いただいている工務店さまからの反応も上々です。また、一から“自分好みの家”を注文することが可能となるため、工務店さまだけでなくお客さまからもご評価いただいています。

　また、コロナ禍でアパートや賃貸マンションから中古戸建への需要が高まってきていることを受けて、リフォーム・リノベーションにも力を入れております。社会的な課題である空き家対策を含めて意義があることだと思いますし、今後は積極的に進めていこうと思います。

　ほかには、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン（株）（以下、ASJ社）が運営する「プロトバンクステーション」に加盟し、ASJ社の登録建築家の名作住宅の図面を再利用することが可能となりました。これにより、高級既成住宅市場に新規参入し、今までとは異なる顧客層を開拓できています。すでに当社のYouTubeチャンネル「Lib Work Ch」で一部を紹介させていただいておりますが、多くの反響をいただいております。

　──最後に、これからのLib Workについてお聞かせください。

　瀬口　コラボ先をさらに4～5社増やしていきたいと考えており、数社と具体的な話が進んでいます。コラボの最大の狙いは、今までにない顧客層の取り込みです。お客さまの趣味嗜好に合わせたさまざまなラインナップをそろえていきたいですね。お客さまが「こういう家を建てたい」と思っても、具体的に表現するのはなかなか難しいのが現状です。多くのパターンのなかからお客さまの好みに合致するものを選んでいただけるよう、具体的にわかりやすく提示していくのが当社の強みですから、そこをさらに強化していきます。

　また、ヨーロッパやアメリカで盛んに建設が進んでいるという3Dプリンター住宅には大きな可能性を感じており、当社でも視察や研究を重ねるなど、3Dプリンター住宅事業も進めていきます。2025年の大阪万博までの実用化を目指しているところで、実用化した暁には全国展開を図っていきたいと思います。

【内山　義之】

＜COMPANY INFORMATION＞
（株）Lib Work
代　表：瀬口　力
所在地：熊本県山鹿市鍋田178-1
設　立：1997年8月
資本金：10億1,477万3,198円
ＵＲＬ：https://www.libwork.co.jp