22年度地価調査でも福岡が躍進した3つの要因(前)
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拡がる博多オフィス街、「博多部」が上昇
上昇した要因は各地点で異なるが、大きくは「天神・博多の拡張」「地下鉄七隈線の博多駅延伸効果」「ららぽーと開業効果」などだろう。とくに、博多の拡張については、今年の地価公示と同じく、「博多エリアのオフィス街の定義が拡大した」ことで、博多駅から北西方面に広がる「博多部」が見直されたことの影響が大きい。前回全国(商業地)1位の上昇率となった「綱場町9-28」はさらに上昇率が拡大(15.8%→16.4%)したほか、「神屋町10-19」(12.0%→13.6%)、「中呉服町4-26」(10.0%→13.5%)、「冷泉町5-32」(15.1%→13.9%)と存在感を示した。これらを含め、上昇率が前年比2ケタ増となった市内44地点のうち、5地点を除き上昇率が拡大したほか、市内の全地点で地価が上昇。前回、唯一下落した「中洲4-2-18」も1.0%の上昇に転じた。
さて、ここからは上昇幅が大きかった福岡市内の各地点を商業地中心に見ていこう。上昇率で県内1位となったのは、「博多駅東3-3-16」(17.5%)で、今年の地価公示でも上昇率上位に入った地点(14.9%)だった。昨年の地価調査における上昇率は12.0%だったが、今回さらに5.5ポイント上回る結果となった。博多駅からは筑紫口を経て徒歩8分程度、さらに地下鉄・東比恵駅からも徒歩7分程度と、オフィスビルの立地としては「それなり」だが、合同庁舎や中比恵公園といった公共施設に近接しており、博多口方面とはまた違った魅力があるエリアだ。近隣では、上村建設(株)の施工で12階建の賃貸マンション(49戸)が建設中。また、9階建のオフィス・飲食・物販の複合ビルも建設中で、延床面積は4,200m2を超える。その隣地では延床面積8,700m2超の9階建ビルも11月に着工予定。完成後の稼働次第では、今後の地価にも影響を与えそうだ。
【永上 隼人】
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