AMに聞く、基山の物流プロジェクト
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(株)玄海キャピタルマネジメント
代表取締役副社長 深野 政治 氏──1月17日に、佐賀県基山町の物流施設が着工されました。
深野 基山町は、九州自動車道や長崎自動車道、大分自動車道を接続する鳥栖JCT、さらに九州を縦断する国道3号にも近く、物流拠点の立地として大きな魅力があります。今回、当社がAMを務める物流施設も、鳥栖JCTから約4km、国道3号から約2kmの立地にあります。2021年12月に土地を取得し、準備を始めてきました。
地元の有力企業である九州電力(株)や九電不動産(株)、(株)九州リースサービスの3社が共同出資する(同)基山ロジインベストメントが事業主体となって開発を行います。
鳥栖JCTがある鳥栖市には、物流施設が集積しています。もちろん、JCTが近いことによる利便性の高さがその大きな要因とはなるのですが、集積していることで、荷降ろしや荷積みのロスが少なくて済むという効率性も生まれます。そういった意味でも、鳥栖JCTに近い立地というのは物流施設において大きなメリットなのです。
──福岡県宗像市あたりから基山、鳥栖、小郡市まで数多くの物流施設の計画があります。
深野 福岡都市部をカバーする物流拠点としては、福岡IC周辺や箱崎ふ頭、アイランドシティなどが最適地ともいえるのですが、物流需要の増加と地価の高騰などから、近年では広域物流をカバーするという意味でも、基山町や筑紫野市、鳥栖市、小郡市などでの開発が増加しています。
既存の物流施設は需要超過の状態で、空室率はほぼ0%となっています。今後も開発計画は増えていくものと見られますが、「床は埋まるのか?」という懸念も聞かれます。天神ビッグバンで再開発されるオフィスビルも同様だと思うのですが、拠点の集約やスペックアップのための移転、また拡張のための移転などといったニーズは必ず生まれてくるものだと考えています。物流施設においては、集約することで機能性の合理化を図る動きも増えてくるはずです。とはいえ、少なからず優位性を確保できない可能性もありますから、開発する施設には強みがなければなりません。多くの建設計画があるなかで当社が勝負するのは、冒頭に述べたように何といってもその立地です。
──今回のプロジェクトの出資者、レンダー、テナントについては、九州を地盤とする企業で構成する計画と聞いています。
深野 現在、このようなかたちで地元企業だけでファンドを組成できているのは、リスクマネーへの理解だけでなく、福岡市の都市力が向上していることは無視できないと考えています。かつては、資金も投資先も国内では東京が1人勝ちでしたので、非常に感慨深いですね。とくに、地場の有力地銀の方々からは大きなサポートをいただいており、ありがたいことに、一緒にファンドを組成させていただけるケースも増えてきました。
当社は17年近く、福岡の地で不動産ファンドマネジメント業務に携わってきましたが、次第に認知されていくにつれ、地元企業から積極的にお声がけいただけるようになりました。当社は福岡と東京に拠点を構えていますが、九州エリアを所管する本社では、今後も九州の企業によるクラブディールのようなかたちを発展させていけたらと考えています。
【内山 義之】
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