2024年04月20日( 土 )

いつまで上がる?【福岡】23年地価公示(2)

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天神の拡張
連続する再開発

天神は全方位に広がる

 商業地で県内1位の上層率(18.3%)となったのは、「清川2-4-19」(福岡市中央区)。地上12階建・66戸の単身向け賃貸マンション「ウインステージ天神南」は、百年橋通りと住吉通りをつなぐ道路沿いの角地にある。同地点は、3年連続で15%超の上昇率となった。上昇の要因は、天神エリアの拡張と七隈線延伸による影響と見られる。周辺はオフィスやマンション、飲食店などが集積するが、日赤通り西側と比べると落ち着いた印象がある。周辺ではマンション開発が活況で、とくに県外資本のデベロッパーによる開発が目立つ。また、隣接する高砂エリアでは3月にRC造・地上8階建のオフィスビルが完成するなど、オフィスも散見され、天神と博多へのアクセスを生かした商業地と住宅地が入り混じるエリア特性となっている。

 3位の上昇率となった「荒戸1-5-20」(福岡市中央区)は、那の津通り沿いに建つRC造・地上10階建の賃貸マンションで、24年1月に開業を迎える「りすのこスクエア」にも近く、近年は10%以上の大幅上昇を続けている。「りすのこスクエア」は、JR九州と(株)桜十字が共同で再開発を手がける福岡市「簀子小学校跡地活用事業」で、病院、高齢者施設、体育館からなる大型の複合施設だ。2,600坪弱の敷地面積を生かし、簀子公園との隣接地では芝生広場も設けられる計画となっている。

注目される「北天神」

 4位となったのは、「長浜1-4-13」(福岡市中央区)で、同じく那の津通り沿いに建つSRC造・地下1階地上8階建のオフィスビル。JR貨物が所有する約3,000坪の敷地に隣接している。JR貨物は同地を飲食店などテナントらへ賃貸していたが、昨年8月に期間満了により既存建物の解体を決定。その後の計画は不明ながら、再開発が進められていくものとみられる。

 7位となった「荒戸2-1-5」(福岡市中央区)は、地下鉄大濠公園駅まで徒歩2分にあるRC造・地上9階建のオフィスビル「大濠公園ビル」。明治通りに面しており、ビル名の通り大濠公園とは目と鼻の先の距離にある。トップ10には入らなかったが、「大手門3-4-22」も3年連続で2ケタ増を続けている。

 住宅地で県内7位となったのは「港2-2-24」(福岡市中央区)で、「りすのこスクエア」の北側にあるRC造・地上6階建の賃貸マンション。解体が進むタワーマンション・カスタリア大濠ベイタワーを目前で仰ぎ見る立地にあり、近年は2ケタ増が続いている。周辺はマンションなどの住居のほか、製造業や漁業関連のオフィス・工場が集積。さらに、パチンコ店、商業施設、飲食店舗とバラエティーに富んだ用途の建物が建ち並ぶ。

 大手門、荒戸、長浜、港は天神に近接しているだけでなく、JR貨物による北天神の再開発をはじめ、西公園(中央区西公園)の再整備、大濠公園と舞鶴公園の再整備、こども病院跡(中央区唐人町)の再開発と、全方位で開発計画の検討が進められているだけに、さらに注目を集めそうなエリアといえるだろう。住宅地の上昇率3位となった「赤坂2-2-11」(17.2%)は舞鶴公園のすぐ南側にある賃貸マンションだが、都心近くでありながらも低層の戸建住宅が建ち並ぶエリアにある。近隣には県警赤坂宿舎跡の広大な更地があり、今後の動向が注目されているエリアでもある。なお、大濠公園に接する黒門では、積水ハウス(株)がホテルの土地を取得しており、今後はマンション開発が行われることが予測される。
 また、天神の南側から北側に移転する「天神ロフト」の判断は、これまで南下傾向にあった天神繁華街が北側へ回帰する兆候といえるのかもしれない。北側は再開発のオンパレードで、前述の通り長浜でも再開発が計画されるなど、ホットなエリアだ。

 県内で最も高かったのは、毎度おなじみ「天神1-96番1外」(天神コア跡)の1,130万円/m2。3位は680万円/m2の「天神2-7-6」だった。

(つづく)

【永上 隼人】

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