2024年05月27日( 月 )

Park-PFI制度で福岡市内3公園を再整備(前)

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9公園から絞り込み 3公園でPark-PFI実施

 福岡市は3月23日、新たに市内3公園においてPark-PFI制度を活用した公園整備・管理運営事業の事業者公募を開始すると発表した。今回、事業公募を行うのは「東平尾公園(大谷広場)」(博多区東平尾公園2丁目)、「清流公園」(博多区中洲1・4・5丁目、中央区春吉3丁目など)、「明治公園」(博多区博多駅前3丁目)の3公園。いずれも2023年5月9日~11日までの応募表明書等の提出を経て、5月31日に応募資格審査結果を通知。その後、7月6日~10日の期間での応募書類の提出を経て、8月中旬~下旬にかけて優先交渉権者の決定・通知がなされる予定となっている。

 Park-PFI制度とは、17年の都市公園法改正により新たに設けられた「公募設置管理制度」のこと。具体的には、飲食店や売店などの公園利用者の利便性の向上に資する公募対象公園施設を設置し、その施設から生じる収益を活用して周辺園路や広場などの公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修などを一体的に行う事業者を公募によって選定するというものだ。

 福岡市では22年3月に福岡市公園条例を改正し、Park-PFI制度の運用に必要な事項を規定するとともに、同年5月から同制度を活用した官民連携事業への民間事業者の参入意欲や事業手法、公園の魅力向上に資する施設の提案などに関する意見を得るための、サウンディング型市場調査を実施。さらに並行して、Park-PFIの実施によって公園での推進が期待される市の施策について、庁内照会を実施してきた。前述の民間サウンディング調査では、住宅都市局所管のすべての公園(計1,685公園)を調査対象に、26者(不動産業、建設業、技術サービス業、飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、運輸業、卸売業・小売業ほか)からの意見・提案を収集。その結果、24者から26公園に対して、計68の提案が寄せられた。主な提案内容は、飲食店(カフェ、レストラン、茶屋)や物販、バーベキュー場、屋内遊戯施設、情報発信施設などの事業の核となる収益施設である公募対象公園施設についてのほか、管理運営やソフト事業、地域との取り組みに関する提案などの民間事業者独自の提案もあった。こうした調査を経て、22年9月議会では、「アイランドシティ中央公園」「東平尾公園」「清流公園」「出来町公園」「明治公園」「舞鶴公園」「警固公園」「百道中央公園」「今津運動公園」の9公園に絞って検討を深める旨を公表。そして検討の結果、冒頭の3公園(東平尾公園、清流公園、明治公園)においてPark-PFI制度を活用した公募を実施する旨を23年3月議会で公表した。

 以下、3公園それぞれのPark-PFIについて見ていこう。

東平尾公園(大谷広場)
市を代表する子どもの遊び場へ

東平尾公園(大谷広場)
東平尾公園(大谷広場)

    1976年に開園した東平尾公園は、約86.3haという広大な敷地のなかに、陸上競技場やベスト電器スタジアム(東平尾公園博多の森球技場)、屋内外20面を有するテニス場などの大規模なスポーツ施設を有している総合公園である。これまでに、90年開催の第45回国民体育大会(とびうめ国体)や95年のユニバーシアード福岡大会、ラグビーワールドカップ2019や日本陸上競技選手権大会など、国内外の大規模なスポーツ大会の舞台として利用されてきた。

 これらの充実したスポーツ施設以外にも、子どもの遊び場として整備された「大谷広場」がある。同広場には草スキー場やローラー滑り台、アスレチック遊具など多数の遊具が配備されて子どもに人気のスポットで、休日ともなると多くの家族連れで賑わいを見せている。だが、現在の遊具はユニバーシアード福岡大会が開催された95年に整備を行ったもので、施設の老朽化が進行して早急な更新が必要な状況にある。

 そこで施設の更新に併せて、広場内の休憩施設の不足やトイレ等のバリアフリー化などの課題に対応すべく、今回Park-PFI制度を活用した広場の再整備に取り組んでいく方針となっている。

東平尾公園(大谷広場) 今回の事業対象区域に含まれる駐車場
東平尾公園(大谷広場)
今回の事業対象区域に含まれる駐車場

    再整備にあたっては、「インクルーシブな子どもの遊び場づくり」「Fukuoka Green Nextを踏まえた施設計画や運営計画」をコンセプトとしており、市が23年1月に策定した「インクルーシブな子ども広場整備指針」の理念を踏まえた設計・工事を行うほか、22年4月に策定した市の森づくりの長期ビジョン「Fukuoka Green NEXT」も踏まえた取り組みを進めるとしている。事業対象区域は、大谷広場および駐車場を合わせた計約3.1ha。Park-PFI制度を活用して利用者の利便性向上を図るとともに、民間のノウハウを活用して管理運営面のさらなる向上を図ることで、福岡市を代表する子どもの遊び場としてリニューアルしていく方針だ。

 なお、同広場の管理運営については、これまでも指定管理者制度を導入して市民サービスの向上に努めてきたものの、さらに高質で魅力的な管理運営を図ることを目的に、今回の公募では設計・工事と併せて、同広場の指定管理者の公募も一体的に行っていくとしている。

(つづく)

【坂田 憲治】

(後)

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