2024年04月28日( 日 )

意地がぶつかる九州ダービーは引き分け 福岡0-0鳥栖

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紺色に染まるゴール裏、アビスパサポーター
紺色に染まるゴール裏、アビスパサポーター

 サッカーJ1リーグアビスパ福岡は14日、ホームのベスト電器スタジアムにサガン鳥栖を迎えて第13節の試合を行った。今シーズン初めての、九州ダービーである。スタジアムには今期最高となる1万3,719人のファン・サポーターが詰めかけた。

 アビスパのチャンスでは、歓声とチャントでスタジアム全体が地鳴りのように揺れる。鳥栖がチャンスを迎えると、スタジアムの一角を占めた鳥栖サポーターがすかさず声を張り上げ、選手たちを鼓舞する。声出し応援が認められた今シーズンならではの雰囲気が、ダービーマッチを力強く盛り上げた。

 堅守からのカウンターで一撃必殺を狙うアビスパに対し、鳥栖は日本屈指のGK朴一圭から短く速いパスをつないで攻める攻撃サッカー。両チームの特色ががっぷり四つに組み合った、好ゲームとなった。

 試合はアビスパのペースでスタート。8分、MF紺野和也が鳥栖GK朴にプレッシャーをかけてボールを奪うと、無人のゴールにシュートを試みる。惜しくもゴールを外れ、先制のチャンスを逃した。鳥栖も徐々に自分たちのペースでボールを握り始め、攻勢に出るシーンも増えてくる。

 だが、大きなアクシデントが鳥栖を襲う。36分、足を痛めたMF本田風智が交代を余儀なくされ、さらに46分にはFW長沼洋一がアビスパDF宮大樹の顔を蹴り上げる反則を犯し退場。鳥栖は、後半は10人で戦わざるを得なくなる。

 数的優位を生かしたいアビスパは圧力を強めるが、試合後に長谷部茂利監督が「チームとして、攻撃面での絵合わせがもう少しできていれば」と嘆いたように、なかなか攻撃の歯車がかみ合わない。68分にFWウェリントンとDF三國ケネディエブス、75分にはFW佐藤凌我とMF平塚悠知、さらに86分にはFW城後寿と、攻撃的な選手を次々に送り込み、鳥栖ゴールに迫るもののあと一押しが足りず、得点には至らない。結局、試合はそのままスコアレスドローで終了した。

 試合後、長谷部監督や選手たちからは「せっかくダービーという舞台を盛り上げてもらったのに、勝利を挙げられず申し訳ない」と反省の言葉が聞こえてきた。この闘志がある限り、次のダービーマッチでの勝利、そしてより高い順位へのチャレンジは続いていく。

 次節はベスト電器スタジアムに、先ごろアジアチャンピオンズリーグを制したアジア王者・浦和レッズを迎える。アビスパ福岡がアジアチャンピオンにどう立ち向かうのか、ぜひスタジアムで目撃してほしい。開催は5月20日(土)、午後1時キックオフとなっている。

【深水 央】

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