2024年05月09日( 木 )

フビロの高断熱・高気密住宅+住宅性能診断と人間力でグループシナジーを鮮やかに発揮

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(株)プレナム機工

プレナム機工×フビロ
グループとなって丸3年

(株)プレナム機工 福吉浩樹 社長
(株)プレナム機工
福吉 浩樹 社長

    (株)プレナム機工は1992年設立。鹿児島に本社を構えて、九州一円に冷凍や空調設備の資材・機器を配送まで行う専門商社。2010年4月に現代表の福吉浩樹氏が代表取締役に就任。12年に福岡営業所を開設。20年にM&Aでフビロをグループに迎えた。

 (株)フビロは1998年設立。熊本に本社を構え、高断熱・高気密住宅のための資材や空調システムの販売ならびに気密測定も手がける。高断熱・高気密住宅においては、省エネや健康・快適性を追求した外張り断熱工法により、木造住宅でも高い断熱性・気密性を実現する技術を有する。また、空気清浄機メーカー、換気メーカー、空調メーカーの協力を得て自社開発した空調システム「Fテック」は、空気清浄機・換気・冷暖房のすべてを兼ね備えたシステムで、従来型のエアコンや換気扇では叶わなかった快適な空調環境を住まいに実現する。さらに、信頼性の高い気密測定による住宅性能診断の実績は年間3,000件、第三者機関として住宅の性能測定サービスを提供している。

フビロが行う気密測定の様子
フビロが行う気密測定の様子

    フビロは同社の創業者からM&Aによってプレナム機工代表の福吉氏へ事業承継された。福吉氏はフビロ創業者の「高断熱・高気密住宅」に対する強いこだわりが、高い技術とノウハウを蓄積させたと尊敬を込めて語る。近年はコロナ禍や気候変動による極端な猛暑などで、高断熱・高気密がより求められる時代になった。事業を引き継いだ福吉氏は、時代の要請に適うフビロの技術を通して、高断熱・高気密住宅の普及に努めることを自らの使命と考えている。

 すでにフビロがプレナム機工の取り扱い商品を販売するなど、グループ化の効果は表れてきているが、さらに相互の商材供給をすすめるなどして、今後さらに大きくシナジー効果を発揮させていく考えだ。

人を生かす企業を目指して
人の力が顧客の評価につながる

 プレナム機工は本社を含めた事業所を、鹿児島、福岡(東区)、宮崎の3拠点、フビロは熊本、福岡(早良区)、関東(千葉県)、鹿児島(プレナム本社の2階)の4拠点をもち、鹿児島を1つにまとめても6拠点になる。拠点が増えると課題はその協力体制だ。

 営業所が離れていても、いかにすれば協力関係を築いて組織の力を引き出すことができるか。そのためには、円滑なコミュニケーションを社風として確立することが何より重要であると福吉氏は強調する。「社員の誰もが話しやすい職場をつくること。悩みを誰にも話すことができなかったとか、事業所同士が協力し合えない会社にはしたくない」。

 円滑なコミュニケーションに支えられた強い組織が福吉氏の目標だ。1つの営業所でトラブルが起こった場合、それを社内全体ですぐに共有して課題解決と予防策を効果的に講じる。また、円滑なコミュニケーションは1人ひとりの社員のモチベーションを高める。

プレナム機工福岡営業所の社屋
プレナム機工福岡営業所の社屋

    福吉氏が社員に望むのは、1人ひとりの社員が単なるお客さまの御用聞きではなく、積極的に提案する力と意欲をもち、お客さまに心から信頼される人材になってほしいということだ。その願いは会社の業績にも表れるかたちで着々と同社に根付いている。コロナ禍において同社も、各メーカーの海外工場から資材や機器が入ってこない状況に見舞われた。しかし、売上も利益も伸びたという。その理由の1つとして「安売りはしない」という代表のポリシーがある。

 福吉氏は言う。「お客さまもおっしゃいます。『プレナム機工のサービスはいい値段がする。しかし、すぐ商品を配達してくれて、すぐ見積もりも請求書も出してくれて、とにかくサービスが良い』と。そういうサービスがなぜできるのか。逆に言えば、なぜそういうサービスができない状況が発生するのか。これは社内の協力体制、つまりコミュニケーションの力です。その違いがサービスの違いとなって、お客さまが明確に感じ取れるものとなって現れます。その点で当社のサービスの価値をお客さまに認めていただいているのだと思います」。

 新しく導入した人事システムも稼働させる。7つの事業所の人事評価を適正に行うことで、社員のモチベーションを高める。社員にはぜひ、この会社と仕事を好きになってもらいたい。福吉氏は「会社は人」のポリシーにたって、業績やサービスの向上を考えている。

M&Aの経験が自分と会社の成長へつながった
過去最高益からさらに成長へ

 「M&Aはもちろん簡単なことではありません。まったく社風が違う会社が1つになるわけですから、当然、葛藤が生じます」。

 福吉氏自身、フビロを買収してから学ぶことがとても多かったという。プレナム機工とフビロは、同じ建物設備・資材に係る企業であるが、商材も対象顧客も違う。さらにフビロは気密測定なども行っている。フビロの経営を引き継いだ当初は、まったくの新入社員で会社に飛び込んだような新鮮な気持ちであったという。その体験と、フビロをグループに迎え入れた経験が、福吉氏を経営者としてさらに成長させた。フビロのM&A経験は3年前であるが、機会があれば次のM&Aにも十分に意欲をのぞかせるほど、その経験は福吉氏に成長への確信を与えている。

 プレナム機工は前期決算(23年5月期)の取りまとめ中であるが、過去最高の売上と利益が出ることは確実であるという。もちろんそのような結果を導いたのは、社員のモチベーションと、社員のための会社の在り方を重視する福吉氏のポリシーだ。社員の成長と、顧客の満足と、業績の拡大の三方よしで、さらに高みを目指す。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:福吉 浩樹
所在地:鹿児島市東開町13-40(本社)
    福岡市東区松崎3-1-1(福岡営業所)
設 立:1992年11月
資本金:300万円
TEL:092-292-8608(福岡営業所)
URL:https://purenamu.jp

<RECRUIT> 
募集職種:企画営業(キャリア採用)
採用実績:2022年度/2人
採用予定:1~2人
問合せ先:099-296-8885(本社 総務部)
採用担当:総務部 谷山


<プロフィール> 
福吉 浩樹
(ふくよし・ひろき)
1976年1月、鹿児島生まれ。大学在学中に創業者である父親が体調を崩したため、22歳でプレナム機工(有)に入社。2010年に代表取締役に就任。12年に取引先メーカーから北部九州での代理店要請を受け、福岡営業所を開設。20年、(株)フビロをM&Aでグループ会社に加える。

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