【福岡IR特別連載124】大阪IR最大の功労者は橋下・松井の維新の会
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先日、「『もはや泥船リゾート計画』大阪IR、事業者に言いなりの公費負担の可能性に『身を切られる』大阪府民の不満爆発」という見出しの記事が、ネットのニュースサイトに躍り出た。
もちろん大阪IR計画に対する批判記事である。大阪府と市が5日、事業者との本契約にあたる「実施協定」の案を承認した。それによれば、当初2029年を予定していた開業時期は2030年に延期される。また、予定地で懸念されている液状化現象に対処するため、市が「土壌課題対策費」として最大約788億円を負担することにしたというが、そこに地盤沈下対策費は含まれていない。さらに、開業後に施設の増設などが行われれば、その分もすべて公費負担となる可能性がある。大阪万博への参加国がなかなか集まらず、開催準備が遅れているうえに、IR整備で公費負担の大幅増とあらば、府民・市民の間に怒りの声が挙がるのも当然至極である──とまあ、こういう論調だ。
しかし、筆者に言わせればこの手の批判記事は笑止千万である。これほどの規模のプロジェクトとなれば、時間も費用もかかるのは当たり前。むしろ、IR開業後のメリットを考えれば、そう大した問題ではない。
一般市民の目には巨額に映じる「土壌改良対策費」788億円も、この事業から得られる直接の賃料収入約880億円(年間25億円×事業期間35年)のみで十分賄える。マスコミ各社は、なぜに井戸端会議並みの批評に終始し、もっと高い見識でもってIR整備計画を論じることができないのか。まったくもって考察能力不足というほかない。
この国は現在、マスコミ各社も含め、民間でも行政でもサラリーマン巨大組織が機能不全に陥っている。つまり、内部のことばかりに汲々として、大局をみようとしないのだ。マンパワーの90%が小事のために使われていると、経済学者たちも異口同音に嘆いている。この本末転倒ぶりにこそ、我が国のお粗末さはある。
米国系IR誘致の大阪と福岡では、停滞した雇用環境が一変する
米MGMとオリックスがタッグを組み、すでに認可済みの大阪IRにしても、米老舗Bally'sの協力を取り付けたものの、いまだ政府の2次募集がなくYouTubeで待機中の福岡IRにしても、どちらも我が国の「雇用環境」を一変させるような巨大プロジェクトである。つまり、現在のインフレと賃金格差が一度に解消できる、唯一の強い起爆剤となり得るのだ。
団塊の世代の筆者は、ひと昔前に起こった凄まじい「高度経済成長」を経験している。戦後長らく1ドル=360円だった為替レートが昭和40年代後半に一変、180円台へ急上昇した。大企業でも新入社員の初任給が2万円を超える会社は僅かという状況であったのに、短期間のうちにその10倍をはるかに超える給与水準となったのだ。その時代のインフレと物価高は、第四次中東戦争による「オイルショック」に起因するものが多い。
しかし、戦後、国民のほとんどが貧しかった我が国の所得水準を上げることに大きく貢献したのは、在日外資系企業の卓越した賃金体系であった。なかでも、モータリゼーションの進行とともに急速に市場を占有していった、欧米系メジャー(石油元売り企業)がはたした役割は大きい。日本では、出光興産を除いて、ほぼすべてが欧米の石油メジャー企業となっている。
そして、彼らこそが、当時の我が国の所得水準を急激に向上させる大きな起爆剤となったのだ。日本人はそれまで、この国特有の「仲良しクラブ」に満足し、誰も率先して行動しようとはしなかった。当時も現在も、この国のサラリーマン経営者たちのほとんどが積極的に給与水準を大きく変えようとしない姿勢は変わらない。もはやこの国の文化と言ってもよい。
岸田自民党政権は維新の会にならい、米国系IR企業の手を借りて、大阪IRも福岡IRも実現していくべきだ。そうして我が国の給与水準を大きく引き上げようではないか。彼らはみな、米国水準の給与体系で巨大な雇用創出を行うと言っている。政治家たちは何を恐れて手をこまねいているのか。
国内の各種公営ギャンブルは、コロナ禍もあり、インターネット利用による急激な売上増で巨額の利益と税収を得ている。さらには、仮想通貨等の流通拡大も後押しし、「eスポーツ」やカジノ含むネットゲーミングが急激な伸びを示している。これらはいまや、世界的な流れである。
旧態依然に“ギャンブル依存症”を理由に反対する人たちは、何をするにも現状維持しか頭になく、要は知識不足なのである。いまだ法改正の兆しはないが、大阪IRでも福岡IRでも、彼ら米国系投資開発企業は対処すべきものはキチンと対処したうえで、それぞれの開業予定地にインターネットプラットフォームを併設し、各種スポーツも含めた巨大なネットビジネス事業を構築するだろう。
アジア圏の市場規模は極めて付加価値が高い。IRがそれぞれの都市圏に生み出す雇用と経済効果の大きさ、そこから得られる税収の大きさは計り知れない。政治家も行政も大手企業のサラリーマン重役たちも、ここは怯んでいる場合ではない。
我々にはもう、あまり時間は残っていない。米国に連動してインフレーションが急激に進行するなか、ぐずぐずしていれば国民はすっかり疲弊してしまう。岸田政権は、可能な限り速やかに、IR法に沿って新たな2カ所のIR申請受付を告知すべきである!
【青木 義彦】
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