国の文化審議会は20日、福岡市博多区の旧冷泉小学校跡地で発見された石積遺構を、「博多遺跡」として史跡指定することを文部科学大臣へ答申した。これを受けて近く国史跡に指定される見通しになった。

石積遺構は、11世紀後半から12世紀前半にかけて国際貿易拠点として機能していた博多の護岸の一部と見られ、中世の港の遺構としては国内最大級とされる。また、遺跡の周辺からは中国からきた商人の居住施設があったことをうかがわせる、当時の貿易の主要な輸出品であった陶磁器や土器などが大量に発見されており、博多が大陸との貿易で栄えたことを物語る。

この遺跡を含む博多遺跡群は、JR博多駅の北側に約120haほど広がっており、そのなかでこの遺跡は西側に位置する。博多遺跡群では1977年以降、調査が進められてきたが、史跡として指定されるのはこれが初めて。
旧冷泉小学校の跡地の石積遺構については、10月17日に福岡商工会議所が公表した「福岡・博多の歴史文化を活かしたまちづくり」に関する15の提言のなかでも、その利活用について提言がなされており、今回の史跡指定で、その価値を幅広く知ってもらうための利活用に向けた働きかけが活発になることが期待される。
【寺村朋輝】
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