2024年05月05日( 日 )

アマゾン、ビジネス向け「アレクサ」開始

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4領域にアレクサ導入

    Amazonは12月4日に記者会見を開き、法人向けサービス「Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティー/以下、ASP)」を提供することを発表した。

 Amazonは、パーソナルAIアシスタント「アレクサ」を日本で初めてビジネス向けに提供する。ASPでディレクターを務めるブラム・ドゥカヴナイ氏とAmazon Alexaインターナショナル事業開発本部本部長・澤田大輔氏は、欧米7カ国でのASPの実績とその成果を語った。また、日本導入の意義として、「超高齢化社会」「労働人口の減少」「インバウンド需要の拡大」「スマートホーム」の4点を挙げ、より生産性の高い業務をこなす環境整備に貢献すると強調した。

 Amazonが導入を目指す領域は、「高齢者施設」「ホテル」「マンション」「地方自治体」の4つ。それぞれの施設・団体に特化した「アレクサ」により新たな体験を拡充するソリューションとなる。

 すでにサービスの導入を決定した「(株)ニチイケアパレス」(高齢者施設)、「東急ホテルズ&リゾーツ(株)」(ホテルリゾート)、「大東建託グループの(株)インヴァランス」(マンション)、「熊本市」(地方自治体)の4者の責任者も記者会見で登壇し、今後の成果に期待した。

高齢者施設の事例

 ニチイケアパレスは、「ニチイホーム南大井」の全77室に導入。入居者と家族がコミュニケーションを取るビデオ通話のほか、体操動画などのコンテンツを通じた娯楽を楽しめ、日々の予定、イベントスケジュールなどを知らせ、入居者の自立支援と自己実現につなげていく。入居者の生活状況も記録し、その記録内容をLINEで家族に知らせることで、介護職員の業務全体の軽減を図るという。

ニチイケアパレスの導入事例
ニチイケアパレスの導入事例

ホテルの事例

 東急ホテルズ&リゾーツは、2024年1月に札幌市でグランドオープン予定の「SAPPORO STREAM HOTEL」のプレミアム客室56室にASPを導入する。訪日外国人が英語で「アレクサ」に語りかけると、館内情報、ホテル独自の地域の名所、オススメ情報を知ることができる。ニチイホーム南大井と同じく、職員の業務軽減も狙いの1つ。

マンションの事例

 東京23区を中心に投資用ワンルームマンションの開発・販売・募集・管理を手がけるインヴァランスは、東京都品川区で入居が始まる投資用マンション「CREVISTA(クレヴィスタ)品川西大井Ⅲ」でASPを導入する。契約内容などマンションに関する情報を入居者と共有することで、エンゲージメントを高めることが狙い。また、入居者は「アレクサ」のスマートホーム機器を利用することができる。今後は物件内覧時にも活用し、管理・仲介会社とのコミュニケーションの効率化や賃貸管理スタッフの業務軽減にもつなげていきたい考え。

自治体の事例

 熊本市は、ASPを使った実証実験を開始する。実証実験では、地域包括支援センター「ささえりあ」、高齢者宅、民生委員に協力を求め、同センターのお知らせ配信、最寄りのバス停の運行状況、AIとの日常会話やゲーム、「アレクサ」を通したビデオ通話の実施といった各機能が高齢者のQOL向上に有効かを検証する。

 また、同市は移動しやすい都市づくりを推進し、中心市街地、日常生活のサービス拠点を公共交通で結ぶ多核連携都市づくりを展開しており、検証結果に基づき、高齢者、子育て世代、外国人も含めた多くの住民の暮らしを支える技術の可能性を官民連携で検討していく。交通、コミュニティ、防災といった多分野で展開し、上質な生活都市の実現につながることを期待しているという。

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 Amazonは今後、ASP導入によりビジネスや地方自治体のデジタル化を推進し、日本が抱える各課題の解決の一助となるよう取り組み、23年内に1,000台の導入を見込む。

(左から) Amazon Alexaインターナショナル事業開発本部本部長・澤田大輔氏と
アマゾン・アレクサ・スマート・プロパティーでディレクターを務めるブラム・ドゥカヴナイ氏

【長井 雄一朗】

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