2024年05月09日( 木 )

「令和6年能登半島地震」から1カ月(前)~複数の断層帯が連動した「連動型地震」~

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(株)アクロテリオン
代表取締役 下川 弘

 2024年の始まりはとんでもない災害に始まった。「令和6年能登半島地震」である。まずもって、この地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまへ心よりお見舞い申し上げる。

 さて、この元日に起きた能登半島地震については気象庁をはじめ、専門家による分析がされ、公表されているので、まずそれをご紹介したい。

 京都大防災研究所によると、マグニチュード7・6と、マグニチュード7・3相当の2つの地震が震源域も近いところで、しかもわずか13秒差で発生した可能性があると発表した。

 最初の地震は、珠洲市付近から南西方向に延びる断層が1日午後4時10分過ぎに動き始めて地震が発生。この地震で半島沿岸部の隆起が起き、その揺れが収まる前に2回目が発生し、これが津波の主な原因となったとみられている。さらにこの2つの断層のずれが短時間に起こったことで、1分程度の激しい揺れとなって、甚大な被害につながったとみられると公表されている。

 また、政府の地震調査委員会も同様に、「複数の断層帯が連動した可能性が高い」との見解を1月15日に公表した。これは「連動型地震」と呼ばれ、2011年の東日本大震災では少なくとも3つの断層が連動し、マグニチュード9・0の巨大地震になったと考えられているそうだ。

 石川県能登地方では、2020年12月から地震活動が継続していたそうで、今回一気に断層が動き大きな被害になったことになる。結果論ではあるけれど約4年前から、「いずれ大地震が来るぞ」という事前の兆候があったのかもしれない。気象庁はじめ災害等の専門機関は、何かしらの異変に気づけなかったものだろうか。

断層のイメージ図(下川作成)
断層のイメージ図(下川作成)

(つづく)

(後)

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