2024年04月16日( 火 )

防災を産業・文化にまで高める(前)

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(株)かんがえる防災
代表取締役 高木 敏行 氏

(株)かんがえる防災 代表取締役  高木敏行 氏

 災害大国・日本では、BCP(事業継続計画)が注目され、企業はもちろん、LCP(生活継続計画)として家庭でも導入されるケースが増えてきた。とはいえ、計画があっても実効性に乏しいものであれば備えにはならない。そこで、消防士出身で防災の専門家である(株)かんがえる防災の代表取締役社長・高木敏行氏に、あるべき防災のかたちとBCPについて話を聞いた。

人的災害ゼロを目指して起業

 ──消防士として活躍していた高木社長が起業されたのは、どのような経緯からなのでしょうか。

 高木 2016年に発生した熊本地震など多くの災害現場に赴き、被災者の方々と接してきましたが、その多くが災害への備え方を知らない事実に気付きました。そこで、「災害時に人的被害をゼロにする」ため、幅広い角度から取り組むべきだと考え、19年8月に起業しました。(1)防災・減災を当たり前にする、(2)被災後も安定した生活を継続できる社会をつくる、(3)考えることで気付き、気付かせ、行動に移す、の3点を企業理念として事業活動を行っています。

    社名を「かんがえる防災」としたのは、「知識を備蓄する」ことが非常に大事だと考えているからです。災害への備え方を知らない事実に気付いたといいましたが、モノから備えると、それを何のために使うのか、目的を見失ってしまうことも少なくありません。モノを用意したことに満足して、どこに保管しているのかわからないという方が多いのはそのためで、それでは万が一の備えにはなりません。そのモノがなぜ必要なのかの気付きの機会を創出し、周囲にも気付かせ、多くの人を巻き込んで、災害発生時に行動に移せるよう導く役割を当社は担おうとしているのです。「防災を産業、文化にまで高める」ことができれば、より安心・安全な社会を実現できるはずです。

 具体的なサービス内容は防災コンサルティングのほか、消防設備・建築設備の点検や設置工事、防災・防犯商品の販売、さらには防災研修やイベントも実施しています。福岡県内においては、福智町(22年から防災アドバイザーに就任)や嘉麻市新山野自主防災組織の立ち上げなど、地域防災の強化にも携わってきました。また、医療・福祉業者を中心にさまざまな業種・団体のBCP策定や、その実行性ある運用に向けた助言なども行ってきました。東京にも事業所があり、昨年9月には町田市でも防災月間のイベントとして「まちキャン」を行いました。防災とキャンプを掛け合わせたイベントで、8,000人以上の方々が来場されました。

「まちキャン」の様子
「まちキャン」の様子

既存の事業や業務に防災をプラス

 ──さまざまなサービスに取り組んでいらっしゃるわけですが、共通するのはどんなことでしょうか。

 高木 いずれのサービスも、既存産業に防災をプラスするものです。そもそも完璧な災害対策というものはありません。私たちは専門家として防災に取り組むきっかけを与え、対策となる引き出しを増やし、万が一の場合に極力被害を抑え、事業継続ができるように伴走するというかたちを取っています。

 たとえば、事業の1つに消防設備・建築設備の点検・設置工事がありますが、それらには防災アドバイスを必ず付加するというのが私たちの取り組みの特徴です。とくに、漏電の有無を確認・改修することに注力しています。建物火災では年間約900億円の被害が全国で発生しており、その約20%が漏電によるものといわれています。漏電を防ぐことは、約180億円の損失を防ぐことにつながるのです。

事業の概要

(つづく)

【田中 直輝】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:高木 敏行
所在地:福岡市博多区博多駅前4-27-5
    博多ステーションタワー302
設 立:2019年8月1日
資本金:300万円
TEL:092-710-5963
URL:https://kangaerubousai.co.jp/


<プロフィール>
高木 敏行
(たかき・としゆき)
1984年生まれ。九州産業大学卒。2008年に福岡県内の消防本部に入局し、奇しくも「119番」をイメージさせる11年9カ月間勤務。消防指令補まで務めた後に起業した。防災士、防災危機管理者、危機管理士(自然災害)の資格を有する。福岡県福智町防災アドバイザー(2022年から)、さくら介護グループ顧問(BCP策定)などに就任している。

(後)

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