2024年10月09日( 水 )

ホールディングス化で成長都市・福岡に貢献 地場建設業界を牽引する企業を目指す

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NIKKENホールディングス(株)

 2022年10月、70年以上の業歴をもつ日建建設(株)と関連の(株)三京の持株会社となるNIKKENホールディングス(株)が誕生した。同社の金子幸生代表取締役は(一社)福岡市建設業協会会長、(一社)九州住宅産業協会副理事長などを務め、業界での信頼も厚く、地域貢献を通じて地元・福岡に貢献したいとの強い想いをもっている。

新社屋でのイメージ向上と省力化が就業者増加に直結

施工現場を移すモニターと金子幸生代表
施工現場を移すモニターと金子幸生代表

 日建建設(株)は1950年の設立以来、74年にわたり福岡市を中心に公営住宅や教育・文化施設などの公共建築物から、分譲マンションやオフィスビル、医療・福祉施設、商業施設に至るまで手がけてきた。2022年10月にNIKKENホールディングス(株)(以下、NIKKEN HD)を設立して持株会社体制に移行した。

 「HD化したことで、グループ内でそれぞれの会社がやるべきことが明確となった」と金子代表は振り返る。グループ内の分担に関して、NIKKEN HDはグループ戦略の立案と所有不動産の賃貸事業、日建建設は総合建設業、宅地建物取引業、建築設計・監理業務、(株)三京は建築工事業(主に戸建等の木造建築物)をそれぞれ担っている。

 設立70周年事業として15年に旧社屋の建替えを計画し、18年に博多駅東の自社ビルに本社機能を仮移転、21年に新社屋を護国神社前の中央区六本松に完成させた。博多のビルは本社屋建設のために購入したもので、利便性も良く従業員からも好評だったが、六本松に戻ってきたことへの喜びはやはり大きい。

 新社屋は機能性を重視したデザインで、業務の効率が向上した。報告書や稟議書のペーパーレス化に加え、現場管理のアプリを導入するなど省力化を推進している。通勤の利便性は好評で、駐車場も広く、地下鉄六本松駅からも徒歩圏内にある。

 建設業界は08年のリーマン・ショック以降、慢性的に人材不足の状況にあるが、NIKKEN HDでは新社屋移転後、新卒・中途ともに採用が増加したという。新社屋の建設やDXの推進などの取り組みが、企業イメージの向上につながったことは間違いない。

NIKKENホールディングス(株) 新社屋
新社屋

    また、3~11階部分は賃貸マンション(48室)で、満室の状態だ。1階のテナント(2店舗)も埋まっており、賃貸事業は順調な状況にある。

 なにより経営・財務面の改善や本社機能のリニューアルによる人材確保は、やはりこれまで培ってきた高い技術力と取引業者をはじめとする人々の厚い信頼がベースにある。

ゴルフトーナメント開催で地域に貢献

 昨年7月6、7日、初となる「NIKKENホールディングス杯オープンゴルフトーナメント」が太宰府ゴルフ倶楽部で開催されたが、雨天のため18ホール競技に短縮された。今年も7月17、18日の2日間、筑紫野カントリークラブで開催され、前日の16日には「プロ・アマ大会」も開催された。主催の九州プロゴルフ研修会は、九州地区のプロゴルファー212名で構成され、日本プロゴルフ協会会員が所属している団体だ。

 ゴルフを通じて親交を温める経営者は少なくないが、地方の建設会社がゴルフトーナメントに対して協賛するのは珍しい。大手だけでなく、地場の企業でも開催できるということで、他の企業への広がりが期待される。

 「私もゴルフ好きで、うちの会社にもゴルフ好きな社員がおります。昨年は、強い雨で最終日は残念ながら中止となりましたが、参加者の方からは好評でした。スポンサーとなる協賛各社のご理解をいただき、今年も開催できたことを嬉しく思います」(金子代表)。

建設業界の若手人材育成と地道な継続による地域貢献

 金子代表は(一社)福岡市建設業協会会長、(一社)九州住宅産業協会副理事長などを務め、自社の成長だけではなく、建設業界全体の未来を考え実践してきた。金子代表が先代から承継して21年が経過したが、社業に従事するだけでは外部との接触が減少し、広い視野や判断が難しくなってしまう。そのため引き受けた役職に真摯に取り組んできた。社業にとどまらず、業界団体の公職としての活動にも手を抜かない姿勢が、広く信頼を集めてきた。

 「今回、県建設業協会会長が交代しました。私は副会長に就任し、(建設業協会)福岡支部の支部長になりましたが、協会の運営にはやはり若手経営者も積極的に参画してほしいと思います」(金子代表)。

 福岡市は165万の人口を有し、現在も成長を続けているが、金子代表自身福岡市出身であり、取引業者をはじめとした多くの縁があってこそ、これまでやってこれたと考えている。

 築年数が経過し、建替えや更新が行われている公営住宅や学校関係施設といった建物はもちろん、分譲マンションやオフィスビル、医療施設など手がける対象は幅広い。本社がある六本松の福岡市科学館の内装工事も手がけた。

 しかし、福岡において業歴が長いという優位性はあるものの、リーマン・ショックやコロナ禍のような思わぬリスク要因が、業績に影響を与えることがある。地道に継続することと、何より現場の社員たちをはじめとした人を大切にすることが一番と金子代表は考えている。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:金子幸生
所在地:福岡市中央区六本松3-16-33
設 立:2022年10月
資本金:1,000万円
TEL:092-731-0571
URL:https://www.nikken-co.jp/holdings

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