2024年10月15日( 火 )

22日告示・8年ぶりの大川市長選~「大川の駅」をめぐって保守分裂

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 任期満了にともない22日に告示となる福岡県大川市長選挙(29日投開票)では、市が建設を進めている観光交流拠点「大川の駅」(仮称)整備計画が争点となっており、市民の間でも賛否両論がある。

 同市長選は、現職で3期目を目指す倉重良一氏(47)と新人で家具企画販売会社役員の江藤義行氏(77)の2人が立候補を表明している。

 「家具の街」として全国的に知られる大川市だが、他の自治体と同様、人口減少や地域経済の疲弊により、市の財政悪化などが懸念されている。そうした状況の打開策として、鳩山二郎前市長(現・衆議院議員)時代に「大川の駅」の構想が浮上し、倉重市長の下で推進されている。

 8月27日夜、大川市文化センターで「大川の駅 反対決起大会」が開催された。平日の夜にもかかわらず、市の内外から約800人が参加。大川の駅建設における問題点などについての映像がスクリーンで流された後、主催者である「大川市の将来を考える会」の運営委員による説明が行われた。

 考える会代表の土井彌一郎氏は、市民の署名簿を受理しなかった市当局の在り方を批判し、市民の団結を訴えた。土井氏は元県議会議員で自民党県議団に所属していた。

 集会では、大川の駅の建設予定地が佐賀市との県境である大野島地域であり、福岡県の高潮ハザードマップ上では、5m~10mの浸水が想定されるエリアに指定されていることなど、問題点が具体的に挙げられた。

 主催者が明らかにした「市長サイドから反対派の活動を応援するなとの圧力が、企業などに行われた」との発言に、会場から「おかしい」「許されない」といった声が上がるなど市民からの関心の高さがうかがえた。

 一方、現職の倉重氏は、8月頃から市内各地のコミュニティセンターなどで、市政報告会を開催し、大川の駅の意義や2期8年の実績について、市民に報告を行ってきた。大川の駅が市の経済浮揚につながるという市民もいる。しかし、2回にわたり提出された計画に反対する市民の署名を受け取らなかったことに関しては、市長としての資質が問われるだろう。なお、前市長・鳩山氏や、大川市・三瀦郡選出の秋田章二県議(自民党)は、倉重氏を応援している。

 22日の告示日を控え、20日午後7時より、大川市文化センター大ホールにおいて、大川青年会議所の主催で立候補予定者である倉重・江藤両氏による公開討論会が行われる。大川の駅をめぐり、どのような論戦が展開されるか、注目される。

大川市長選 立候補予定者 公開討論

【近藤将勝】

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