【佐賀】立憲・原口一博氏「日本を再建する」
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10月27日に投開票が行われた衆議院選挙において、佐賀市や鳥栖市などを選挙区とする佐賀1区は、立憲民主党前職の原口一博氏が、元経済産業副大臣で自民党前職(比例)の岩田和親氏を振り切り、10回目の当選をはたした。
著者は過去、原口氏と会ったことがある。23年5月7日に行われた佐賀県鳥栖市新庁舎落成式で来賓として原口氏が来庁されたときのことだ。原口氏は、同年4月に「同じような病気と闘う人の励みに」と、自身が悪性リンパ腫と診断され、闘病中であることを公表していた。落成式当日は、治療のために付けていたウィッグ(かつら)を外しており、また、薬を服用しているためか、これまで画像を通してみてきた同氏のイメージとかなり異なるように感じた。
しかし、10月27日の投開票の場で目にしたのは、病気を公表する前よりさらに若々しく、鋭気に満ちた原口氏の姿であった。「日本を変える」という強い意思で選挙に挑んだ原口氏、ここまで人は変われるものかと、驚きを感じた。
佐賀県は「保守王国」とみられている地域だが、今回の選挙では、佐賀1区、2区共に立憲民主党が小選挙区で議席を勝ち取った。佐賀1区では過去3回、原口氏が勝利している。前回選挙(21年10月)における原口氏と岩田氏の得票数をみると、大票田の佐賀市と鳥栖市では原口氏が勝ったが、ほかの5つの地域では岩田氏が勝ち、その差はわずか133票だった。しかし今回は、吉野ヶ里町でこそ岩田氏に敗れたが、それ以外をすべて原口氏が勝ち、1万6,360票もの大差をつけることになった。その結果を知り、原口氏の投開票会場にきていた支援者の「前回は、自民党の応援をしていましたが、今回は原口さんの応援をしました。原口さんの言葉のほうが信じられる」という声を聞いたことが思い出された。
石破茂氏の首相就任から8日後の解散、26日後の投開票と、いずれも戦後最短となった今回の衆議院選挙について、原口氏は「こんなに短い、また不意打ちの選挙はあるか。24本出した質問主意書は回答に至らずでした。この状況は、民主主義が壊れていると言ってもいいでしょう」と語った。
また、原口氏は「この選挙が始まる前に、この国を変えるのは日本国民である、という信念のもとに『憂国連合』という草の根組織を立ち上げました。日本独立、日本再興、国民の命を守る、これを憂国連合、そして立憲民主党を中心に、この日本の夜明けの、この10月27日があってよかった、あの日から日本は再建したんだ、あの日から国民を見殺しにする政治は終わったんだ、あの日から私たちは明るく暖かい世界を目指して、国民が統合して歩くことができる、平和を勝ち取ることができる、これが今日だと思います」と力説した。
さらに「ここは1つの通過点です。核を廃絶する。そして今まさに目の前に迫っている危機、それは暮らしの危機であり、命の危機であり、そして、この日本国が存亡できるかの危機であります。危機に対応し、皆さまに明るく温かい方向を指し示しながら、日本の政治を引っ張っていきたい。日本全体を再建する。衰退からの成長を実現し、国民の暮らしを守る」と誓いの言葉を述べた。
原口氏が立ち上げた『憂国連合』は、右でも左でもない真に日本の行く末を案じる人々が結集している。しがらみの多い既存の団体を頼らない取り組みは、確実に日本人を目覚めさせることだろう。
【内山義之】
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