TOTO、25年3月期決算は増収増益も最終減益 中国事業の構造改革へ
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28日、TOTO(株)(本社:福岡県北九州市、田村信也代表)は2025年3月期の連結決算を発表した。それによると、売上高は7,244億5,400万円(前期比3.2%増)、営業利益は484億7,900万円(同13.4%増)、経常利益は503億6,900万円(同2.2%減)、当期純利益は121億6,800万円(同67.3%減)で、増収営業増益も経常減益・最終減益となった。
決算要因としては、主力のグローバル住設事業で米州地域でのウォシュレット拡販やアジア地域の台湾市場での販売伸長が寄与したほか、新領域事業では半導体市況の回復にともなう静電チャックの販売増が営業利益を押し上げた。一方、中国大陸事業の固定資産について、想定以上に急速な同国市場の変化に対応が遅れたことで資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなったとして、減損損失として340億円を特別損失に計上。これにより当期純利益の大幅減少につながった。
来期(26年3月期)の業績予想については、売上高は7,535億円(前期比4.0%増)、営業利益は525億円(同8.3%増)、経常利益は521億円(同3.4%増)、当期純利益は310億円(同154.7%増)で、増収増益を予想している。
中国事業の構造改革で2工場閉鎖
26年3月期も特別損失計上へまた、合わせて同社は中国大陸における事業の構造改革を実施すると発表した。不動産市況の低迷や経済環境の悪化による消費のローグレード化、競合との価格競争激化により収益が悪化したことが背景にある。
今後も中国市場での事業継続を図るため、販売、商品、生産の各面で抜本的な見直しを進める。販売面では、日本で培ったリモデル提案の知見を生かし、同分野へのリソース集中を進める。商品面では、高級市場向けに加え、中高級・中級市場にも対応可能な価格競争力のある製品を投入する。生産面では、北京と上海にある2拠点を閉鎖し、事業規模に応じた新体制へ移行する方針だ。
生産拠点の閉鎖も発表した。閉鎖されるのは1995年設立の東陶機器(北京)有限公司(北京市)と、2001年設立の東陶華東有限公司(上海市)の2社。いずれも衛生陶器の製造・販売を手がけ、従業員数はそれぞれ1,030名と994名。清算後は新工場を含む2拠点体制に再編し、稼働率や生産性、環境性能の向上を図る。
東陶機器(北京)は、資本金2,400万USDで、TOTOの連結子会社である東陶(中国)が60%、三井物産(株)が20%、中国現地パートナー企業が20%出資している。過去3年の業績では、22年12月期の売上高が3億4,627万元で経常利益が2,513万元の赤字、23年12月期は黒字転換し、売上高が4億2,980万元で経常利益が4,512万元となったものの、24年12月期は売上高が2億9,210万元で経常利益が176万元と大きく減速していた。
一方、東陶華東は資本金4,200万USDで、東陶(中国)が100%出資。22年12月期は売上高が5億5,688万元で経常利益が3,580万元、23年12月期は売上高が6億2,804万元で経常利益が4,474万元、24年12月期は売上高が5億1,940万元で経常利益は2,752万元と収益性は比較的安定的に維持していたが、再編対象とされた。
本構造改革にともなって同社は26年3月期にも特別損失を計上する見込みで、27年3月期以降に収益改善を見込むとしている。
【寺村朋輝】
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