5kg3,280円のコメ売れ残り from 福島

福島自然環境研究室 千葉茂樹

 福島県在住で自然環境問題を中心に情報発信をしている千葉茂樹氏から、コメ関連のレポートが届いたので紹介する。

 ヨークベニマル猪苗代店では、米5kg3,280円(税別)(政府備蓄米とみられる)は、ほとんど売れていません。この米は、5月末までは、毎週金曜日に棚に並び、土曜日に完売することが多かったです。

 また、2日に、ヨークベニマル猪苗代店で3,000円(税別)で売られていたのは、以下のリンク先のコメです(5月中旬精米)。
https://qr.paps.jp/WW9b
かなりダンピングしています。

 おそらく、業者は5kg2,000円のコメが出たので「売れない」と見て、在庫処分に踏み切ったのではないかと思います。なお、アイリスプラザの政府備蓄米の抽選販売はいったん終わったようです。
https://www.irisplaza.co.jp/event/campaign-rice.php?SID=1926185

 私は、本日、抽選(今回の最後の抽選)に当たりました。7日に届くようなので、どんなコメか試食してみます。なお、アイリス米の良い点は、袋内に脱酸素剤が入っているところです。

 また、いつものことですが「専門家と称する方が、コメのおいしい炊き方」をいろいろ話されています。実は、専門家の方が知らない炊き方があります。今から40年ほど前に、メディアでも話題となりましたが、ほとんどの方は忘れていると思います(専門家も含めて)。

 ちょっと書きますと、昔の農家では、古いコメにひと工夫しておいしく食べていました。昔は冷害もありましたので、農家ではコメを保存して、冷害に備えていました。

 40年ほど前、テレビの取材で「数10年前の保存米(たしか戦前)」が出てきて、それを炊いて食べていました。うまくはないが、飢饉(ききん)用として十分とのことでした。

 豊作の年には、この保存米は古米となって味が落ちますので、ある工夫で新米と同じような風味を出していました。90歳以上の農家の方は知っているかもしれません。

 私は父(生きていれば102歳)から話を聞きましたし、上記の処理をしたコメも食べました。私と同世代以下で、この方法を知っている方はまれだと思います。具体的なことは、別途紹介したいと思います。

 効率重視の時代が長く続き、昔の工夫が忘れ去られています。昔は、非効率のなかに、人々の知恵が残っていました。今はありません。


<プロフィール>
千葉茂樹
(ちば・しげき)
千葉茂樹氏(福島自然環境研究室)福島自然環境研究室代表。1958年生まれ、岩手県一関市出身、福島県猪苗代町在住。専門は火山地質学。2011年の福島原発事故発生により放射性物質汚染の調査を開始。11年、原子力災害現地対策本部アドバイザー。23年、環境放射能除染学会功労賞。論文などは、京都大学名誉教授吉田英生氏のHPに掲載されている。
原発事故関係の論⽂
磐梯⼭関係の論⽂
ほか、「富士山、可視北端の福島県からの姿」など論文多数。

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