島村楽器に公取委が勧告 取引条件の未明示や報酬未払いなどフリーランス法違反

 25日、公正取引委員会は楽器販売や音楽教室の運営を手がける島村楽器(株)(本社:東京都江戸川区、廣瀬利明代表)に対して、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(以下、フリーランス法)に違反する行為があったとして勧告を行った。

 発表によると、同社は音楽教室のレッスン業務をフリーランス講師らに委託していたが、契約時に取引条件を明示せず、報酬の支払期日を守らなかったうえ、無償での体験レッスンを行わせていた事例が確認された。

 違反が認められたのは、2024年11月1日~25年2月6日の期間。同社は特定受託事業者97名に対し、業務委託の際に報酬額や支払期日などの明示を怠った。また、同期間に85名に対しては報酬支払期日を明示せず、役務提供後に報酬を支払わなかった。さらに11名に対し、合計19回の体験レッスンを無償で行わせていた。

 公取委は、これらの行為はフリーランス法が規定する第3条(取引条件の明示義務)、第4条(期日における報酬支払義務)、第5条(不当な経済上の利益の提供要請)に違反すると判断し、是正措置を勧告した。勧告では、無償で行わせた体験レッスンの対価に相当する額の支払いや、類似業務を委託したほかの事業者との取引についても調査することなどを求めた。

【寺村朋輝】

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