不二サッシに下請法違反で公取委が勧告 部品返品・金型保管などで不当行為

 24日、公正取引委員会はアルミサッシなどの製造販売を手がける不二サッシ(株)(本社:川崎市幸区、江崎裕之代表)に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)に違反する行為があったとして、同法に基づく勧告を行った。

 公取委によると、同社は下請事業者に部品の製造を委託していたが、2023年12月1日以降、受領した部品について受入検査を行っていないにもかかわらず、「瑕疵(かし)がある」として返品を求め、さらにその送料も下請事業者に負担させていた。また、良品と瑕疵品を下請側で仕分けさせており、その回数は少なくとも16回にのぼった。返品に関する下請代金や送料の合計は、下請事業者20名に対して421万6,930円にのぼる。また、部品製造に用いる金型や木型、治具などを無償で長期間保管させていた事例もあり、対象は46事業者、保管数は7,789型に達していた。

 公取委はこれらの行為について、下請法が規定する「不当な経済上の利益の提供要請禁止」に違反するものと判断した。そして同社に対し、再引き取り可能な部品の回収と代金支払い、再引き取り不能な部品の代金支払い、送料の返還、仕分け作業にかかる費用の支払い、金型等保管にかかる費用の支払いを求めた。また、これらの是正措置について取締役会での確認や社内研修の実施、取引先への通知と報告も命じた。

 不二サッシは、すでに金型等の保管費用に関して下請事業者との協議を開始している。

【寺村朋輝】

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