<COMPANY INFORMATION>
(株)アキラ水産
代 表:上田浩祐
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-711
設 立:1969年9月
資本金:4,850万円
TEL:092-711-6601
URL:https://www.akirasuisan.co.jp
日本の水産業界が漁獲量の減少と魚の価格高騰、さらには若年層の魚離れという難題に直面するなか、福岡市中央卸売市場でトップの実績を誇る総合仲卸である(株)アキラ水産は、伝統的なビジネスモデルの「垣根」を打ち破り、激変の時代に勝ち残るための変革を加速させている。
【目次】
- 市場の変化に適応する戦略的転換
創業100年超の総合仲卸がホールディングス化とグループ連携で市場構造の変化に対応する戦略を紹介。 - 品質とDXが支えるグローバル戦略
ISO22000取得やFSSC・HACCP対応工場、IT企業との連携によるDX推進で国内外から選ばれる体制づくりに挑む。 - 高付加価値を生む飲食・加工戦略
直営飲食店や加工体制を通じて、高品質な魚を高付加価値商品として届けるビジネスモデルとシナジーを解説。 - 人が辞めないホワイトな組織力
業界平均を上回る給与水準と公正な評価制度、風通しの良い社風で離職率ゼロを実現する人財戦略に迫る。 - 未来の食文化を担う挑戦者のDNA
魚食文化の継承と業界変革を掲げ、M&Aや新事業開拓を通じて持続的成長を目指すビジョンを紹介。 - 求人情報
市場の変化に適応する
戦略的転換
創業100年を超える老舗でありながら、(株)アキラ水産は常に時代のニーズを先取りし、業容を拡大させてきた。しかし、現代の水産業を取り巻く環境は極めて厳しい。漁獲量の減少傾向が続く一方で、魚の価格高騰が進んでいるのだ。
この市場の構造変化に対応するため、アキラ水産を中心とするアキラグループは2020年1月にホールディングス体制へと移行し、グループ6社(現在は7社)を統括する体制を構築。25年4月には、グループ間の情報共有を強化するため、オフィスをワンフロア化するなど、物理的な環境整備も行った。
アキラ水産の直近の業績(前期)は、単体売上高77億円に対し、グループ合計で167億円を達成。アキラ水産の上田浩祐社長は、「目標をグループ売上高200億円に設定した」という。なお、この目標は単なる既存事業の継続ではなく、新たな事業領域の獲得によって成し遂げられる見込みだ。
品質とDXが支える
グローバル戦略
AI時代において企業が選ばれるためには、効率性と信頼性の両立が不可欠だ。アキラグループは、その実現のために、国際品質基準の獲得とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に注力してきた。
業界におけるアキラグループの品質管理体制は際立っている。21年9月には、仲卸業を行うグループ5社が食品安全マネジメント規格のISO22000認証を九州の水産仲卸として初めて取得した。さらに、古賀工場の新設や福岡市場内の自社加工場のリニューアルを通じて、国際的な衛生管理基準であるFSSCやHACCPに対応した工場を保持している。
DX化への取り組みも加速させている。IT部門を担うグループ会社の(株)ヒフミの社長には富士通(株)の元取締役を招聘した。DX推進の目的は、流通における生産性向上と合理化にある。魚市場という迅速なスピード感が求められる現場において、IT技術を基盤としたシステム構築によって、業務効率の最大化を図っている。また、これらの国際基準を背景に、海外への販路拡大も積極的に展開している。
高付加価値を生む
飲食・加工戦略
漁獲量が減り、魚の価格が上がるという状況下で、アキラ水産が成長の「伸びしろ」として注目するのが飲食事業だ。この領域こそ、将来の魚食文化を支える基盤になると見据えている。
アキラグループでは現在、博多区の川端商店街に海鮮丼などを提供する飲食店「アキラ水産」、JR博多駅中央街に「魚がし うお助 JRJP店」「魚がし うお助 デイトス店」を出店するほか、大阪にも1店舗「ビストロ酒場ウオスケ」の直営飲食店を出店している。また、将来的には寿司店の出店も視野に入れているという。
これら飲食店を運営することで、自社の高品質な魚を求める新たな業務用卸先のオファーが増えるといった相乗効果も生まれている。
人が辞めない
ホワイトな組織力
AI時代において、システムや技術は代替可能になるかもしれないが、企業の「魂」は優秀な人財に宿る。アキラ水産の最大の強みは、この人財戦略にある。
同社は、新卒の給与水準を業界平均よりも大幅に高く設定している。また、成果を出した社員への報酬を惜しまない評価制度を確立している。こうした高待遇に加えて、社風の改善に徹底的に注力した結果、同社は驚異的な「離職率ゼロ」を達成している。昔ながらの男社会で、かつては長時間労働が常態化していた水産業界においては異例といえるだろう。
さらに同社ではコミュニケーション重視の社風が醸成されている。採用においては、学歴ではなく、コミュニケーション能力の高さを重視する。また、派閥をつくらせないように社長自らが仲裁に入るなど、風通しの良い人間関係の構築に努めている。社員の子どもが「お父さんの会社で働きたい」と思えるような会社にすることを目指しているという。
「この仕事を始めるのに専門的な知識はいりません。夢を描いて業界の未来を変えていきたいという方、ぜひお待ちしています」という同社代表取締役社長・上田浩祐氏の言葉は、多様な事業展開(貿易、加工、飲食、IT)によって、若者に対しさまざまな選択肢と成長機会を提供できるようになった「垣根を越えた」企業としての自信の表れである。アキラ水産は、デジタル時代においても、最終的に頼りになるのは「人財の力」であることを理解し、その育成と定着に最大限の投資を行うことで、持続可能な成長基盤を築いている。
未来の食文化を担う
挑戦者のDNA
漁獲量の減少、漁師不足といった業界の根本的な危機に直面するなかで、「ピンチこそ最大のチャンス」と捉えるアキラ水産の挑戦者としてのDNAは揺るがない。同社は、仲卸業という基盤を守りつつ、魚食普及を理念に、市場の枠を超えたビジネスモデルの構築を推し進めている。
ホールディングス制への移行や積極的なM&A戦略、高収益を生む飲食事業の強化は、市場の変動に左右されない強固な収益構造を生み出しており、これが高水準の給与体系と快適な労働環境を支える礎となっている。
「常にお客様志向の経営姿勢で、未来の食文化の構築に力を注いでいく」という経営理念のもと、アキラ水産が水産業界の未来を担う企業として、より一層その存在感を増していくことは間違いないだろう。
<求人情報>
(株)アキラ水産
業 種 :鮮魚介類の仲買および加工、
飲食小売業
職 種 :市場内での卸売・集配作業
勤務地 :(本社)
福岡市中央区長浜3-11-3-711
採用担当:牧和広
TEL :092-711-6601
採用ページ:https://www.akirasuisan.co.jp/recruit/








