二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語(10)~同一クラブからのRC選出

世界的な奉仕団体である『ライオンズクラブ』。その慈善運動は社会的に広く認知されている。ところがライオンズクラブの複数の会員から「福岡地区=337-A地区には問題がある」との情報が入ってきた。本来国際奉仕団体としての活動は名誉栄達ではなく、純粋な社会貢献にある。

ライオンズ国際協会337-A地区元ガバナー
二場安之氏

前ガバナーからの妨害

 前回(9)の記事では、2022年4月に行われた「ライオンズクラブ337-A地区」第68回年次大会において、当時のガバナーであった古川隆氏と二場氏が並び立った場面を紹介した。

 古川氏は、21年7月から22年6月のライオンズ国際協会「337-A地区」ガバナーを務めた。2リジョンにおけるゾーン編成や恣意的なルール変更に対し、複数の会員から批判の声が上がり、国際協会への紛争申し立てが行われたことを受け、古川氏は2リジョンの良識派と情報交換を行い、良識派から「貴方が是正をきちんと行うなら応援する」という約束も得ていた。ところが、ガバナーに就任した途端、古川氏は二場氏寄りの姿勢へと転じた。

 当然、RC(リジョンチェアパーソン)も務めたAをはじめとする2リジョンの良識派は、「裏切られた」と感じた。二場氏の常套手段であるライオンズのポストを餌に、取り込んだのであろう。二場氏だけでなく「古川氏からも6リジョン発足に対する妨害があった」とAは語る。

 まるで政界の多数派工作を見ているような話だが、どの組織でもこうしたことはある。時の実力者に忖度したり、明確な意図をもったロビー活動に無自覚に巻き込まれてしまったりすることが問題である。

 意外な話もある。2リジョンの各クラブからの新リジョン結成に対する反対はなかったという。むしろほかのリジョンからの反対が多かった。事情を知らないほかのリジョンからは、現ガバナー・前ガバナーが反対するなか、分離独立することのほうがおかしいと思われたようだった。

 だが、それで終わるわけにはいかない。キャビネット会議でAは、二場氏と激論を交わしている。Aの熱意は、二場氏側についていた他リジョンも動かした。筑豊エリアの3リジョンの賛同を得られたことが大きく、最終的に6リジョンが発足する運びとなった。Aは「正義は通るんだな」と感慨深げに語った。

 二場氏がガバナーに就任する前に、RC(リジョンチェアパーソン)をしたことは以前紹介したが、RCは地区ガバナーにより任命される。ガバナーを補佐し、地区ガバナーの指揮のもとに責任者としてリジョンの運営を担う重責だ。ガバナーになる前にRCを経験したほうが有利に事が運ぶと考えたのだろう。そうした勘の良さはたいしたものである。

議事録の不適正な管理

 17年に二場氏と同じ福岡玄海ライオンズクラブの陣内良巳氏がRCに就任。陣内氏は二場氏の第2副地区ガバナー選挙対策本部長を務めており密接な関係があった。翌18年のRCを二場氏が務めたが、2期連続同一クラブは異例であった。

 なお17年度の「337-A地区」キャビネット幹事は二場氏であるが、地区キャビネットは各クラブと国際協会を結ぶパイプ役であり、地区運営方針を協議決定し、それを実行する地区の執行機関である。

 当然ながら、その幹事職は職責を濫用するなどはあってはならない。同職に関する規定には次のようなことが明記されている。

  • 地区キャビネット会議の議事録を正確かつ完全に記録し保管する
  • 地区キャビネット会議終了後すみやかに議事録をすべてのキャビネット構成員およびライオンズクラブ国際協会本部の太平洋アジア課に送付する
  • 地区内クラブから毎月、月例会員報告書を集め、ガバナーから要請があった場合には、他の地区役員に配布するため写しをつくる
  • 幹事および会計の役職に通常付随するその他の任務、ならびに地区ガバナーまたはキャビネットから時折委ねられる任務を遂行する

 ところが議事録の作成・保管が適正に行われていなかった。はっきりいえば捏造や削除が行われたという。このような行為がまかり通ってきたことに対し、良識派の怒りは頂点に達したのだ。

(つづく)

【近藤将勝】

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