これまで当社では、全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が、自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があること、そして、全管協名誉会長として政府与党幹部と面会した際、自身が経営する企業が販売権を有するごみ処理プラントの営業活動を行ったことなどを報じてきた。
6月15日発売の『週刊ポスト』(小学館)2026年6月26日・7月3日合併号において、「茂木外相が総裁選ですがった『自民党員水増し団体』」とのタイトルで、2024年の自民党総裁選に際して、現在、高市政権の外務大臣を務める茂木敏充氏が、全管協名誉会長でその職域支部である自民党ちんたい支部連合会の会長を務める高橋誠一氏に、東京都内のある高級飲食店で、総裁選で全管協がもつ自民党員票の一部を自身に投票してくれるよう依頼していたことや、当社が報じてきた自民党員の組織的な獲得に関する問題を3ページにわたって報じている。
水面下でうごめくポスト高市の動き
全管協が自民党員を増やすことに力を入れてきたのは、賃貸住宅の家賃非課税を維持することが目的の1つであることは、前回記事で述べた通りである。全管協名誉会長・高橋誠一氏は、自民党が業界団体の圧力に弱いことを利用して党員獲得と総裁選を含めた選挙での応援をエサにしたといってよい。
高市政権は依然として6割を超える高支持率であるが、特定の支持派閥はなく、支持議連とされる国力研究会もその中心にいる麻生太郎氏は、前述の茂木氏を高市氏がこけた場合の次期総裁候補として担ぐことを視野に入れているといわれ、決して政権基盤は安定しているとはいいがたい。永田町周辺では来年の総裁選に向けた水面下の動きがすでに始まっている。
ところで、これに関して最近、興味深い動きがあった。2月の衆院選に立候補せず引退した菅義偉元首相が、帝国ホテルに個人事務所を開設したというのである。週刊現代がこの事実を報じたが、オフィスが多く入居するタワー館ではなく帝国ホテル本館であり、「月170万円前後はかかるだろう」という。
菅氏の狙いは小泉氏を次期首相に据えること
菅氏は、安倍政権の官房長官時代から全管協と関係が近かった。側近の官邸官僚がお膳立てを行ってきたという。
ある全管協加盟企業の代表者に話を聞くと「石破さんはちんたい議連の会長ですが、あまり業界ロビーへの対応に熱心ではない」としたうえで「菅さんが安倍政権の官房長官時代から、腹心の和泉洋人元首相補佐官を通じて全管協とは密接な関係を築いており、官僚を動かして要望を通してきた」との見方を示した。
そして菅氏が帝国ホテル本館に事務所を構えることになった背景には和泉氏の働きかけがあったという。
永田町周辺では、菅氏の事務所開設は、同じ神奈川の小泉進次郎氏を次期首相にすることを目的とするものだと注目されている。25年6月の全管協のシンポジウム後の交流会で小泉氏があいさつを行ったのは菅氏のアテンドがあったとみられる。目的は党員票の獲得である。高橋誠一名誉会長も自民党内で支持が強くない石破氏よりも菅・和泉ラインを頼ってきた。
全管協が頼りにする菅氏のブレーン・和泉氏とはどういう人物なのか、次回はそこに言及しつつ、全管協が自民党内の勢力バランスをうまく利用してきたことを詳述したい。
(つづく)
【近藤将勝】








