【特集】全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係

 全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)名誉会長の高橋誠一氏は、自民党ちんたい支部連合会会長などを務め、政界と深い関係を築いてきた。当社の取材では、高橋氏が自社のごみ処理プラントについて、政権幹部や高級官僚に説明・営業していたことが判明した。

自社のごみ処理プラントを政権幹部らに説明

 関係者から入手した、高橋誠一氏が代表取締役会長兼社長を務めるALINインターナショナル(株)(以下、ALIN社)の資料によると、ごみ処理プラントは1カ所あたり14億~16億円の投資に対し、4億~5億円のリターンがあると説明されている。計画では7,000カ所への設置を掲げており、仮に1カ所あたり15億円として計算すれば、投資規模は10兆5,000億円に上る。

 資料は「脱炭素時代における生活再生エネルギー社会構築のご提案」と題する全28ページで、ごみ処理プラント事業などが紹介されている。資料には、生活再生エネルギーの国による政策化や国と地方自治体との連携、補助金・交付金の強化などが盛り込まれ、「Action plan」にも国による政策化・支援、国と地方の連携などが示されている。さらに資料には、政権幹部や高級官僚の写真とともに、政権幹部への説明や官僚幹部とのキックオフミーティングを行ったことを示す記載がある。

 ある全管協会員は、自民党員の募集は住宅家賃の消費税非課税堅持などのためだと考えていたとして、高橋氏が自身の経営する会社の事業について複数の政権幹部に説明・営業していたことに驚きを示した。また、自民党ちんたい支部連合会会長などの立場にある高橋氏が、自らの会社の利益のために政権幹部へ商品説明や営業を行うのであれば、事前に厳しい規程などのガバナンスを整備すべきだと指摘。別の会員からは「組織の私物化と感じる」との声も上がった。

 一介の民間人が複数の政権幹部や官僚幹部と面談することは容易ではない。高橋氏が政権幹部に接触し、自社のプロジェクトを売り込むことができる背景には、自民党員の獲得に力を注いできた全管協や自民党ちんたい支部連合会の力があるのではないか。

4万人の党員を背景に政権幹部らと面談

 全管協の会員は、自民党員の獲得に大きな努力を払ってきた。自民党ちんたい支部連合会は2024年時点で約4万人の党員を有し、数ある自民党職域支部のなかでも最大級の党員数を有する。この数の力を背景にしているからこそ、高橋氏が政権幹部や高級官僚と面談できているのではないか。一般人が同様の機会を得ることは極めて困難だろう。

 全管協会員が党員獲得に努力した結果として得られた全管協の影響力を、高橋氏だけが自身の経営する会社のごみ処理プラントの説明や営業に利用していたとすれば、重大な問題である。

総裁選で茂木氏への投票を呼びかけ

 さらに取材を進めるなかで、これまで全管協とは関係が薄かった自民党幹部・茂木敏充氏への投票を呼びかける動きと、ALIN社のごみ処理プラントとの関係について、関係者から証言が寄せられた。

 関係者によると、高橋氏は周囲に次のような話をしていたという。近年行われた自民党総裁選の数カ月前、立候補予定の茂木氏が高橋氏と面談し、全管協の一部の党員票を茂木氏に回してほしいと依頼した。これに対し高橋氏は、ALIN社のごみ処理プラントなどを海外でも販売するため、政府のODA資金を活用して同社製品の購入を検討するよう開発途上国へ働きかけてほしいと茂木氏に依頼し、茂木氏はこれを快諾したという。これは、高橋氏自身が周囲に話していたとする関係者の証言である。

 その後、高橋氏名で「自民党総裁選挙への支援体制について」と題する文書が出された。宛先は全管協の支部長・理事、自民党ちんたい支部の職域支部長などで、北海道、宮城、山形、栃木、群馬、茨城、山梨、富山、福井、熊本、沖縄の11職域支部などに対し、茂木氏への支援と協力を求める内容だった。

 複数の全管協関係者によると、多くの会員にとって、全管協や高橋氏が茂木氏を支援するという話は、それまで聞いたことがなかったという。突然茂木氏を支援するよう通知を受けた会員からは、実際に周囲へ茂木氏への投票を依頼したものの、自民党員を増やす過程では全管協本部の圧力や自民党ちんたい支部連合会の不適切な説明によって、他人の党費を支払った会員も多く、複雑な気持ちだったとの声が聞かれた。

 茂木氏への投票呼びかけの背景に、高橋氏が周囲に話していた内容が関係しているとすれば、高橋氏が自身の経営するALIN社の利益のために、全管協の自民党員票を利用しようとしたことになる。

 複数の全管協会員からは、全管協の自民党員は会員が努力を重ねて増やしてきたものであり、その裏で高橋氏が自身の会社の利益のために茂木氏への投票を呼びかけていたのであれば許すことはできないとの批判が出ている。また、ODAは一般に開発途上国の経済発展や福祉向上を目的として国民の税金から拠出されるものであり、自民党員数を背景に政権幹部や高級官僚へ自社事業の説明や営業を行っていたのであれば問題だとの声も上がっている。

【近藤将勝】

 本件については、6月15日発売の『週刊ポスト』(小学館)2026年6月26日・7月3日合併号が、「茂木外相が総裁選ですがった『自民党員水増し団体』」とのタイトルで3ページにわたって報じている。

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