全管協グループ・全国賃貸住宅修繕共済の実態(4)粉飾決算の可能性を指摘後に「国土交通省提出の書類」を訂正

 前回の「全管協グループ・全国賃貸住宅修繕共済の実態(3)全管協九州支部事務局と修繕組合事務局の書類縦覧に関するやり取り」では、全管協九州支部事務局が中小企業等協同組合法に基づいて、全国賃貸住宅修繕共済組合(以下、修繕組合)の担当者に対して関係書類の縦覧を求めたが、開示を渋られたため、国土交通省に問い合わせを行ったところ、一転して修繕組合が開示に転じたことを紹介した。

11カ所訂正された縦覧書類

 また、(2)では、全管協九州支部が粉飾決算の可能性に関して修繕組合へ説明を求めたが、約2年間にわたって十分な回答を得ることができなかったことも紹介した。これについて関係者に取材したところ、次のような事実関係であった。

 全管協九州支部は再三にわたり、粉飾決算の可能性に関して、修繕組合へ説明を求めた。2026年1月7日の九州支部役員会で、修繕組合の担当者は「本支部におきましては修繕共済組合の会計や運営について疑問の声が多数出ていたにもかかわらず、事前に十分なご説明ができないまま時間が経過したことについておわび申し上げます」と謝罪したうえで、「財務諸表等は、毎期、国交省へ報告・提出して承認を受けています」と書面を提示して説明した。

 しかし、監督官庁といえども財務諸表の承認を行うことはあり得ない。

 関係書類の縦覧拒否などもあったことから、「全管協をよくする会」は会員や保険契約者を守るために、修繕組合が国土交通省へ提出した縦覧書類の調査を独自に行った。その過程で判明したことは、よくする会側が粉飾決算等の可能性について指摘した後、指摘した内容に関わる部分を修繕組合が11カ所にわたって訂正していたことだった。
 当社は修正が行われた縦覧書類を入手した。以下にそれを公開する。

書類1

書類2

専従職員数の書き換えへの疑問

 本来であれば、縦覧書類を訂正したことを真っ先に九州支部で説明しなくてはならないはずだが、今日現在まで修繕組合から九州支部やよくする会に説明は行われていない。これについて会員企業からは極めて不誠実な対応だとして、「縦覧されると不都合なことがあったから訂正したのではないか?」など疑問の声が挙がっている。

 当社が、ある全管協九州支部の加盟企業の代表者を取材したところ、「なぜ、九州支部や全管協をよくする会が、粉飾決算の可能性として指摘した内容に関連する点のみを訂正したのか?」「なぜ、国に提出する極めて重要な書類において、専従職員数を2021年度から2024年度まで4年連続で間違えるのか?」と不信感を隠しきれない様子であった。

 「全国賃貸住宅修繕共済(協)」は、国土交通大臣の認可を2021年に取得している。その制度的根拠は中小企業等協同組合法にある。掛金の税務処理は損害保険料に準じるかたちで、個人・法人を問わず経費計上が可能ということもあり、全国の賃貸オーナーの間で、「修繕費を経費にできる新しい仕組み」として注目を集めている制度だ。当然、修繕組合の運営上、財務諸表の作成は厳格でなくてはならないはずだ。

 「国が承認した」と誤解を与える回答や「組合員でないから縦覧させない」と開示を拒否する行為は社会的に認められる行為ではない。

 だが、さらに取材を進めたなかで、新たに驚くべき事実が判明した。次号以降で説明したい。

(つづく)

【近藤将勝】

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