全管協グループ・全国賃貸住宅修繕共済の実態(3)全管協九州支部事務局と修繕組合事務局の書類縦覧に関するやり取り

 前回の「全管協グループ・全国賃貸住宅修繕共済の実態(2)全管協九州支部が指摘した粉飾決算・不適切会計の可能性」において、全国賃貸住宅修繕共済(協)(以下、修繕組合)が国土交通省へ提出した報告書に、虚偽記載があったのではないかとの指摘が、加盟企業の代表者から行われたことを紹介した。しかし、修繕組合側は約2年もの間、具体的な説明を行わず、1月7日に開催された「全管協九州支部役員会」で説明が行われたものの、国交省が財務諸表などを承認しているとの回答を行ったため、全管協九州支部加盟企業も参加する「全管協をよくする会」が質問状を送付する事態へと発展していた。それに対して、修繕組合は同年3月2日付で同会に提出した回答書で、「法令上、財務諸表の内容について承認を行う制度はございません」と回答し、実質的に「承認」の事実はないことを認めることになった。

中小企業等協同組合法に定められた関係書類の開示

 取材を進める中で、全管協九州支部事務局から、修繕組合の担当者に対して関係書類の縦覧を求めていたことが分かった。当社は、当事者間でのやり取りがどのようなものであったか、メールを含めてその内容を入手した。

 その内容に言及する前に、全管協九州支部の事務局・Aの証言を紹介したい。修繕組合に書類の縦覧を求めた理由について全管協九州支部の事務局・Aは次のように語った。

 「2年間十分な説明がなく、国土交通省の名前を出して虚偽の説明を行ったことにより、九州支部と修繕組合の信頼関係が低下した」と述べつつ、「万一、修繕組合が粉飾決算または不適切会計であった場合、全管協会員だけでなく、代理店・出資者・顧客などが大きな被害を受ける可能性があることから「中小企業等協同組合法第61条の2に基づいて、修繕組合が国土交通省への提出義務がある決算書類などを含む説明書類の縦覧を求めた」という。

 中小企業等協同組合法は、第61条の2で「共済事業を行う組合は、毎事業年度、業務及び財産の状況に関する事項として主務省令で定めるものを記載した説明書類を作成し、当該組合の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない」と定めており、修繕組合(全国賃貸住宅修繕共済(協))もその対象となる。Aはこの条項を根拠に開示情報(ディスクロージャー)の縦覧を求めたのである。

 Aと修繕組合のBの電話でのやり取りとメール内容を以下紹介したい。

 A:ディスクロージャーを見せていただけると、勉強させていただきたいなと思いまして。
 B:なるほど。これは誰が見るのです?
 A:私です。
 B:これは組合員向けの資料なのです。あなたは組合員でしたっけ。
 A:いや、ただ事務局です。
 B:これは組合員向けの資料ですので、そういうことでいうと、原則にのっとると、それは渡せないっていうことになっちゃうのですけれど、どういたしましょう。
 A:出していただけないっていうことですね。
 A:縦覧になってますので、見れるかなと思ったんですけど。
 B:これ、縦覧なんですよ。見れるんですよ。見れるのは組合員なんで、不特定多数の人に見せるものではないので、あなたは組合員ですかって聞いたの、そういうことなんですけれども。
 A:そうなんですね。じゃ、難しいっていうことですね。
 B:そうそう。組合員には見ていただいてます。ただ、あなたは組合員ではないので、組合員じゃない人からくださいと言われても、いいですよって、それがいえないですよっていうことなので。

 Bは、法律で「公衆の縦覧に供しなければならない」と定められているにも関わらず、組合員ではないという理由でAからの縦覧要求を拒絶した。AはBの対応に納得せず、中小企業等協同組合法で縦覧が定められている書類を、組合員ではないという理由で断られたことに納得できず、2026年7月2日に以下のようなメールをBへ送信した。

 知人が貴組合のディスクロージャー資料を国土交通省に問い合わせしたところ、国土交通省より、同組合に係る書類は行政文書に該当しますので、情報公開法に基づく開示請求を行うことは可能だと回答をいただきました。

 Aのメールにある知人とはある全管協関係者である。これを受けて、修繕組合事務局・Bは九州支部・Aに対しメールで事務局での閲覧は可能との回答を行っている。

修繕組合事務局・Bから全管協九州支部・Aへの返信メール(抜粋)
 先日のお電話で「組合員向けの資料なので渡せない」とお受け止めになられた点について、念のため補足させていただきます。
  私からは、当組合では組合員向けのサービスとして一定の資料を電子データにより提供している旨を申し上げた趣旨であり、非組合員の方に一切閲覧いただけないという意味で申し上げたものではございません。
 当組合の業務および財産の状況に関する説明書類につきましては、法令に基づき、公衆の縦覧に供するものとされております。
 当組合では、所定の書類を事務所に備え置く方法により対応しておりますので、事務所にお越しいただければ、所定の手続きを経たうえで閲覧いただくことは可能でございます。

 Aの縦覧請求に対するBの冷淡な対応は、国土交通省のコメントを突きつけられたことによって急変した。ある全管協加盟企業の代表者は「修繕組合の九州支部・Aに対する説明は極めて悪質であり、何を隠すためにこのようなことをしているのか」と憤りを語った。

 だが、問題はこれだけにとどまらない。次回以降、全管協内部から縦覧書類の書き換えなどが指摘されていることについて取り上げていく。

(つづく)

【近藤将勝】

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