福岡市は6月15日の市議会定例会で、耐震改修が完了していない博多区役所(博多駅前2丁目)について、建て替えの方針を明らかにした。別の場所に新しく建物を建てて移転する予定であり、2021年度の完成を目標に検討を進めている。
市によると、博多区役所が入っている11階建ての建物は1971年に市と(独)都市再生機構(UR)が共同で建設した。地下1階から地上3階が区役所、4階以上が住居(152戸)部分となっている。98年に実施された耐震診断で「震度6以上の地震で倒壊の危険性がある」と診断され、2013年に耐震壁などの改修方針が決まった。しかし、鉄骨の耐震壁によって執務室や窓口が分断され、区民に不便をかける恐れがあったことから、市とURが協議し今年6月に建て替えの方針で合意した。
URは住居部分から撤退するという。移転地については早急に用地を選定。新庁舎は近辺にある福祉センターなど市の施設をまとめる形で整備し、完成までは現庁舎で業務を実施する。新庁舎完成後に旧庁舎が入っているビルを解体し、2,480平方メートルの跡地の活用法は今後詰めていく。
市では、防災拠点となる施設217カ所の耐震改修計画を進めていたが、博多区役所だけが残されていた。市の担当者は「区民に迷惑を掛けないようにスピードを持って建て替え計画を進めていきたい」としている。
【平古場 豪】
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