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2017年05月22日 09:04

目視で数えて水増し?久留米シティプラザ来場者数「53万人」の怪(1)

 久留米シティプラザが4月29日、開業1周年を記念してイベントを行った。来場者数60万人を目指し、今年1月には達成する見通しまで立っていたが、その後、なぜか急降下。初年度は53万4,358人となった。好調だったはずの動員数が、なぜ下方修正されたのか――。現地取材を含めて検証を行ったところ、事実上の水増し行為といえる集客数のカウント方法がみえてきた。

昨年は15万人動員 潜在的集客力はあるはず

 4月29日、久留米市中心部で施設開業1周年を祝うイベント「くるめ楽衆国まつり」が行われた。昨年の久留米シティプラザ開業では、主催者発表で15万人の集客があった。関係者によると、29日のイベントも開業時に負けないくらいのにぎわいを見せていたという。ゴールデンウィークの初日ということもあり、久留米シティプラザだけでなく、周辺の商店街にも多くの人々が足を運んでいた。

 久留米の商店街は、1990年代後半から集客が減り始めた。その後近隣に大型商業施設が続々とオープンしたことも、集客減に拍車をかけた。92年ごろは、週末は1日1万8,000人ほどの人通りがあったとされる駅前のアーケード商店街も、近年は3,000人通ればいいほうだと言われるほど衰退していた。決定打になったのは2003年10月にゆめタウン久留米店が開業したこと。当時商店街ではほとんど対策を取っておらず、ほぼ無防備の状態で打撃を受け、集客は大幅に減少した。ゆめタウン久留米店は年間200億円以上の売上規模を誇り、久留米市内の周辺からも集客に成功。そのころからすでに空き店舗が多くなっていた商店街にとっては致命的だった。09年2月には久留米を代表する百貨店だった久留米井筒屋が閉店するなど、久留米市の中心市街地には暗い話題にあふれ、地元商店主らの表情は暗かった。

初年度は53万人が来場 冬場はペースダウンか?!

 11年2月、老朽化した久留米市民会館の「久留米井筒屋」跡と「六角堂広場」への移転話が突如浮上する。03年に約30億円を投じて作られた「六角堂広場」を壊してまで移転することに、市民の間で反対運動が起きた。これは14年1月に行われた市長選の争点にもなったが、最終的には推進派の現職、楢原利則市長が当選したことで反対意見を封殺。計画は半ば強引なかたちで進められ、16年4月27日、コンベンション機能を備えた大規模施設「久留米シティプラザ」が誕生した。

 弊社が2年前に行ったインタビューでは、久留米市の楢原利則市長は「久留米シティプラザで60万人、周辺商店街には100万人」(実際にはシティプラザは61万2,800人が目標)という集客目標数値を打ち上げ、市もそれに向けて取り組みを行っていた。

 市によると、今年12月までの8カ月間で来場者数は40万9,602人。このペースで行けば残り3カ月で目標とする60万人に達成するものと見られていた。ところが、最終的に市が地元紙に発表した数字は53万4,358人。そのなかで目を引いたのが、多目的広場とカフェ併設スペースの集客数。前者の来場者数は14万5,635人、後者は12万4,726万人。合計すると27万361人となり、目標人数全体の50%以上を占めているのである。

 全天候型の多目的広場である「六角堂広場」(1,320m2)は市民、企業、自治体を問わずさまざまなイベントが開催されるほか、定期的に映画を上映するなど、幅広い催し物が行われる出入り自由の施設である。一方、「誰もが気軽に立ち寄れるフリースペース」を謳い文句にする「カタチの森」(3102)にはカフェやトイレ、授乳室などを備えたコミュニティースペースがある。子どもたちが遊べる遊具のほか、テーブルや椅子などを設置し、市民の休憩スポットとしても活用されている。

 市の資料によると、「六角堂広場」の集客は12月末の時点で11万949人、残り3カ月で3万4,686人増。1カ月換算で平均1万1,562人増えるペースとなっている。「カタチの森」は同10万3,060人の2万1,666人増。月平均で7,222人となった。「カタチの森」は昨年4月27日から12月末までの来場者数は月平均1万2,882人。冬場は来場者数が少なかったからなのか、大幅にペースダウンしている。

 弊社では従来からこの2施設の来場者数について、「市の水増し疑惑」と報じ、発表された数字の信憑性が低いことを再三指摘してきた。2月に取材した時点では、「六角堂広場の来場者数はイベント主催者発表の数字。カタチの森に関しては1階のカフェ運営を業務委託している会社から報告された数字」(市担当者)だという。「カタチの森」のカフェで話を聞いたところ、「この近くに日吉小学校があり、午後3時から夕方にかけて子どもたちが広場やカタチの森を通って家に帰っている。その数が1日で大体400人」だ、ということであった。

(つづく)
【矢野 寛之】

 
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