2022年01月24日( 月 )
by データ・マックス

環境変化著しい金融業界、スピード感をもって変化していく(前)

(株)山口銀行 頭取 吉村 猛 氏

 明治11年(1878年)、第百十国立銀行として産声を上げ、130年以上、山口県とともに歩んできた第一地銀・山口銀行。2016年には吉村猛氏が(株)山口フィナンシャルグループ社長兼山口銀行頭取となり、現在、新体制のもとで新たなビジネスモデルの構築を行っているという。旧態依然のビジネスだと思われている銀行業は今、変化の必要に迫られていると吉村氏は語る。

(聞き手:弊社代表・児玉 直、弊社顧問・浜崎 裕治)

ビジネスモデルを磨き上げる

 ――山口銀行は、明治の時代から金融業務に取り組んでおり、今も第一地銀として、地域の企業と地域の発展に寄与しています。吉村さんは昨年6月にその山口銀行の頭取、そして山口銀行、北九州銀行、もみじ銀行の3行からなる山口フィナンシャルグループの社長に就任されました。まずは現在取り組んでいることについておうかがいします。

 吉村氏(以下、吉村) 金融業界は今、激しく動いています。既存ビジネスだからといって安穏としていられるとは考えていません。私たちに課せられている使命は、自分たちの新しいビジネスモデルをつくりあげていくことだと思います。自分のグループのビジネスモデルを磨いていかなくては、これからの時代の変化、そのスピードについていくことはできないと考えています。

 ――銀行も大きく変わりましたね。

(株)山口銀行 吉村 猛 頭取

 吉村 そうですね。マイナス金利が続く現在の状況は、金融業にとっては強いアゲインストの風になっています。けれども、こういった風はどの業界でもあるはずです。順風満帆で事業がずっと続けられる業種など、おそらくないのではないでしょうか。

 どの業種の経営者の方でも、そういった逆風をどうさばいて自分たちのビジネスモデルをつくっていくかに腐心されていらっしゃると思います。私たちも自分たちのビジネスモデルをどう構築していくのかを考え、そのビジネスモデルの延長線上に目指すべき銀行像が見えてくるようなイメージを持っています。マイナス金利が逆風だと言っても、それは1つの条件に過ぎません。厳しい環境ではありますが、これが将来の日本・地域経済を活性化してくれるかもしれませんから。私たちは逆風が吹いていてもお客さまに満足いただける金融サービスを提供できるように、創意工夫を重ねていくだけです。

 ――たしかに金融機関にとっては、厳しい経営環境にあると思います。

 吉村 低金利が続いていますからね。そしてついにはマイナス金利になりました。銀行は、利ざやで稼ぐビジネスを追求できない時代になってきました。マイナス金利の導入は、金融業界がひっくり返るくらい大きな事件でしたし、私自身、強い危機感を持っています。

 5年前に、お客さまのためになる銀行を目指して北九州銀行を設立しました。目線をお客さまに合わせて、もう一度、銀行のビジネスを見直していこうということも、そのころから考えていました。今は逆風が吹いていたり、新しいサービスが生まれてきているといったこともありますが、その流れのなかでも山口FGの存在感を発揮するためにはどうすればいいのか、模索を続けています。

 ――金融業、銀行業の経営は特殊なものではなく、中小企業の社長と同じように時代の波風のなか、生き残っていけるビジネスモデルをつくらなくてはならないということなのですね。

 吉村 そうです。我々だけが利益を得るようなビジネスモデルではいけません。銀行業は今も昔も、地域とともにあります。地域が潤っていただかないと、私たちが生き残っていくことはできません。お客さまに質の高い金融サービスを提供し続けるためにはどうしたらいいのか、改めて考えている現状ですね。

(つづく)
【文・構成:柳 茂嘉】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:吉村 猛
所在地:山口県下関市竹崎町4-2-36
設 立:1944年3月
資本金:100億円
経常収益:(17/3)791億6,400万円

 
(中)

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