19日、九州大学は次期総長候補者について赤司浩一副学長・特任教授に決定したことを発表した。任期は2026年10月1日~32年9月30日までの6年間で、再任は不可とされている。
国立大学法人は国からの運営費交付金が減少傾向にあるなど、運営環境は厳しさを増している。赤司氏は同日の会見で、産学連携を推進するとともに、同大を中心としたスタートアップ創出とその波及効果を生み出すことへの意気込みなどを語った。九大はこれまでもオープンイノベーションプラットフォーム(OIP)を外部法人化するなど産学連携や社会実装に取り組んできた。赤司氏の指導力のもと、さらなる成果がもたらされることが期待される。
候補者の選考にあたっては、昨年7月に選考日程と基準が公表。9月に経営協議会および教育研究評議会から赤司氏と内田誠一氏(九州大学工学部出身)の2人が推薦され、最終候補者となった。その後、所信表明会や学内意向聴取を経て、2月19日の最終審議で赤司氏を選出した。
赤司浩一氏は1960年1月17日生まれ、福岡県出身。85年に九州大学医学部を卒業し、医学博士(九州大学)。九州大学病院教授、医学研究院教授、病院長(任期4年)などを歴任し、2020年10月から副学長を務めており、現在は副学長に加え、生命科学革新実現化拠点長および特任教授も兼務している。海外経験としては、米国スタンフォード大学博士研究員、ハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所助教・准教授(併任)を務めるなど、国際的な研究経歴を有する。医学・生命科学分野を中心に、大学経営と研究推進の双方に関与してきた経験が評価されたとみられる。
医学部出身者が総長/学長を占める
赤司氏が第25代総長に就任すると、23代の久保氏以来3人連続で医学部出身者が占めることになる。
これは九州大学に限った現象ではない。全国の国立大学を中心に、医学部出身者が学長・総長に就任する傾向は近年強まっている。背景としては、①大学附属病院を抱える大規模法人経営の経験、②外部資金獲得や研究マネジメント能力、③医療系分野が国際競争力や研究費規模の面で大学経営に与える影響の大きさ、などが指摘される。このようなことから、医学部を有する大学では、医学部出身者がトップに就く構図は全国的な潮流といえる。
【寺村朋輝】










