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2018年01月18日 16:08

附属久留米小で合否取り違え事件~責任の所在はどこに

 明治40(1907)年開校、110年の歴史を刻む福岡県内有数の名門小学校で、信じがたい事件が起こった。ことの舞台は、福岡教育大学附属久留米小学校(所在地:福岡県久留米市南)。今月15日、2018年度入学者を選考後に結果を掲示する際、本来なら合格していた志願者を不合格とし、不合格だった志願者を合格者として掲示したのだ。

 県内でいわゆる「附属小」と呼ばれる学校は3つ。それぞれ福岡、小倉と、久留米に校舎を置き、全国の国立大附属小学校がそうであるように各地域の伝統校、より実態を捉えるならブランド校として県民に認知されている。附属小から併設する附属中学に進み、福岡市の県立御三家や小倉高校、明善高校に進学することが、教育に力を入れる家庭の理想とするコースのひとつ。福岡教育大の学生のために置かれた教育実習校という位置づけだが、本質は進学エリート校にほかならない。

 当然、合格するための競争も、幼い受験生には酷なほどし烈だ。福岡教育大の担当者によると今年、附属久留米小では1次試験を144人が受験し、合格した85人をさらに抽選で70人(35人×2クラス)まで絞りこんだという。附属福岡小の入学者選考はこれをさらに上回る競争率だというからおそれいる。

 さて、事件に戻ろう。附属3小を合わせても、合否取り違え事件は初めてだというが、そうとは思えないほど抽選方法は複雑だ。まず1次試験合格者に新たに番号を付与し、くじ引きのような抽選を行う。くじ引きは、個別に「~番が合格」とするのではなく、「A番からB番まで合格」のAとBに入る数字をひいていくという形式をとっている。
 数字を転記する際にミスが発生し、合否取り違えが起きたというのが福岡教育大担当者の説明だ。「会場の保護者とともに確認しながら数字を埋めていくため、不合格だった保護者は子どもが合格していないことを認識していた」とも話し、「事情をていねいに説明して、すぐにわかっていただいた」と、事態がすぐに収拾されたことを強調した。

附属久留米小学校における入学者選考に関する取扱いについて

 本当だろうか。事実、取材に対し担当者は当初、被害家庭に電話で事情を説明したとしていたが、同じ会話のなかで「会って説明した」と変化している。担当者は直接被害者親子とは話もしていない。
 担当者の主張がすべて事実だとしても、腑に落ちない点も残る。合否の発表ミスという、私立学校であれば重大な処分が下されるであろうこの事件について、附属小3校を統括する福岡教育大学(所在地:福岡県宗像市赤間文教町)は具体的な処分を行っていないのだ。取材に応じた担当者は「大学Webサイトに載せた謝罪文がすべて」というが、これではまさにお役所仕事。とても教育者を養成する大学の言い分とは思えない。
 責任の所在について問いただすと、当初は学校長にあるとして、伊藤克治校長の名前をあげたものの、すぐに訂正し福岡教育大の学長である櫻井孝俊氏に責任があるとした。しかし、責任の取り方についてはまたしても曖昧な返答に終始。「トップの処分はトップが決定する」としたかと思えば、「役員会が処分を検討する」とするなど二転三転する。本当に櫻井学長は責任をとるのか、注視していきたい。

 文科省は16年から「国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議」を設けて、附属校の在り方を再検討し始めている。交付金の減少などによって統廃合が進むとみられる附属校だが、「教育実習校でありながら、なぜ受験校化するのか」という根本的な矛盾に回答できるだろうか。統廃合の対象に、例外はないという。

 
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