2022年05月24日( 火 )
by データ・マックス

KPG「i+Land nagasaki」公営リゾート民営化で生まれる「地方創生」(前)

 かつて負の遺産となっていた公営リゾート施設が再生をはたし、全国でも類を見ない一大ホテル・レジャー施設へと進化しようとしている。この再生から進化までのプロセスを手がけているのが、日本全国で多様性に富んだ各種事業を展開するカトープレジャーグループ(KPG)。今回、「地方創生」という大きなテーマのもと、今年4月1日に第1期のリノベーションを遂げたエンターテインメントリゾート「i+Land nagasaki」(アイランド ナガサキ)を取材。同社の「トータルプロデュース」が長崎の地で具現化した姿を報告する。

トータルプロデュースで再生から進化へ

4月にリニューアルしたi+Land nagasaki

 日本全国でホテル、飲食店、官設民営のリゾート施設、温浴施設、旅館、劇場、分譲型リゾートホテルなど、多種多様な事業を手がけるカトープレジャーグループ(以下、KPG)。同グループは、昨年4月1日に長崎市から移譲された宿泊施設「やすらぎ伊王島」に1年かけてリノベーションを施し、今年4月1日、「i+Land nagasaki」(アイランド ナガサキ)として新たなスタートを切った。さらに新設のコテージ(ロッジ)エリア120室が今年7月18日にオープン予定。その後も第3期、第4期の施設強化を検討していくという。

 KPGは、マーケティング、コンセプトワーク、プランニング、オペレーションの4段階をすべて担当し、事業収益まで責任をもつ(赤字の場合は損失を負担する)という独自のシステム『トータルプロデュース』で、数々の事業再生を手がけてきた。指定管理者として「やすらぎ伊王島」の運営を託されたのは2003年。同施設は、1987年のリゾート法制定を受け、長崎県と旧伊王島町(05年1月、長崎市に編入)が出資する第三セクターが、89年7月に開設したリゾート施設「ルネサンス長崎・伊王島」が前身。総工費100億円という一大プロジェクトであったが、バブル崩壊とともに経営は破綻し、2002年に閉鎖されていた。

7月18日オープン予定の「ロッジエリア」(イメージ)

 その経緯を知る世代にとっては、官主導のリゾート計画の「負の遺産」といえる伊王島の施設が再生し、さらにリノベーションと新施設で、一段と機能強化されている現実に、ただただ驚嘆するほかはないだろう。KPGは、景気悪化とともに客足が途絶えた高級リゾートを、地元・長崎の人々に親しまれる身近なレジャー施設に方針転換。指定管理者でありながら、温泉の掘削を自己投資で行い、できる範囲で施設の魅力強化に努めた。その結果、開業以来の利用者数は223万人を数え、かつての「負の遺産」は、地域活性化に貢献する長崎の新名所といわれるに至ったのである。

 しかし、開業から30年近くが経つなかで、施設の老朽化という限界がみえてきた。市所有の公共施設という特性上、施設の補修・改修に市議会の承認が必要となる。施設存続のためにも民間移譲は必要不可欠であったはずだ。

(つづく)
【山下 康太】

<INFORMATION>
i+Land nagasaki
所在地:長崎市伊王島町1-3277-7
TEL:095-898-2202
URL:https://www.islandnagasaki.jp​

 
KPG「i+Land nagasaki」公営リゾート民営化で生まれる「地方創生」(中)

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