連載・インフラと私~これからのケンセツはアンテナ感度高めで
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北九州市建設局河川部水環境課主査 赤尾 英司 氏
大学では都市計画を専攻。計画づくりへの市民参加、合意形成について学ぶ。「まちづくりに携わりたい」という思いで、市役所入り。最初の配属先は八幡東区役所まちづくり整備課。道路の維持・改良など、現場仕事に従事した。
思い出に残る仕事は、2つ目の職場である学術・研究都市開発事務所での土地区画整理事業。谷間の集落を埋めて広大な宅地を造成するため、複雑な換地交渉をともなうものだった。当初、地元住民との交渉は難航した。
「地権者との合意形成はガチンコなものばかり。会合ではシナリオは通用しない。入念な準備と臨機応変な対応力が求められた」と振り返る。事業には必ず反対者がいるが、そうした方とどう折り合うかが事業の成否を左右する。「事業における合意形成はその場しのぎではダメ。まちづくりでは丁寧な対応が肝心」と指摘する。
現職場の担当業務は河川計画。今年7月上旬の豪雨により、市内各所の河川が氾濫し、浸水被害などが発生。現在、溢水した河川などの現地確認を行っている。一般に、行政が被災現場に行くと苦情や補償の話になりがちだが、「現地に飛び込んで、地元の方の話を聴くことはとても大事。地域にとって何が必要なのか、色々話してみないと分からないことが多い」という。
「どちらかといえば、定型より非定型な仕事が得意」と自己分析。「これからもプロジェクト系の仕事に携わりたいという。これからのケンセツ現場では、新しい情報を常に受信し、自ら情報を発信できるよう、アンテナの感度を高めることが大切」と力を込める。
1973年6月12日生まれの45歳。趣味は「角打ち文化」の研究。【大石 恭正】
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