2024年12月11日( 水 )

世代交代による新たなチャレンジで『今までにない商品』作りと市場拡大を目指す(後)

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(株)ジャパンシーフーズ

付加価値の高い商品を生み出す

 スピーディな加工作業や鮮度管理など、水産加工は至ってシンプルな技術を必要とする。そこを一定の基準でクリアできたとしても、他者との差別化は難しいだろう。ただ、同社は創業以来貫いている業界トップクラスのアジ・サバの専門性に加え、そこに付加価値をつけることで安定収益とシェアの拡大を目指す。そんな会社の命ともいえる商品開発には、数年前から人員を倍増して6名のプロフェッショナルが日夜研究にあたり、商品に高い付加価値をつけていく。「数ある商品のなかで、量販店や一般消費者の手に取っていただくためには、そういった個性をもたせていくことが大切です。『ジャパンシーフーズの商品だから買いたい』と言っていただけるように、会社としてももっとブランド力を高めていきたいですね」(陽一社長)。
 また、市場開拓という意味では、海外への販路拡大も同社の使命だ。「前社長のころから、海外事業を進めていますが、まだまだ理想とする継続的な取引には至っていません。海外ではアジやサバといった光り物への抵抗が根強く、日本ほど青魚を食する文化がないというのが一番の原因だと考えられます。ただ、香港やアメリカなどで取引の成果は出ていますし、未来の食糧難に備えて、資源量が圧倒的に多いサバやアジなどの需要も増えるという期待もありますので、今後も根気よく海外事業を続けていきたいですね」(陽一社長)。

若手にもチャンスが多数あり

 同社には、現在グループ総数で200名のスタッフが在籍。30年以上の歴史をもつ企業なのだが、各拠点の営業所長は半数以上が30代、全社員の平均年齢も若めなのだという。規模が拡大していくと同時にポストも増え、若手にも上の役職に就けるチャンスがあるのが特徴だ。「この仕事のやりがいは、日本全国のお客さまとやりとりをすることで、ダイナミックな活動ができるところです。しかも、自分たちでつくった商品があちこちのスーパーにならび、お客さまの生活を豊かにしていく、その様子を身近に感じることができます。そういった瞬間に『やってよかった』と思えるのではないでしょうか」(陽一社長)。
 若手に豊富なチャンスを与え、柔軟な発送でオリジナルの商品を生み出し、周囲を幸せにする―。同社のこれからの活動に大いに期待したい。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:井上 陽一
所在地:福岡市南区井尻5-20-29
設 立:1987年7月
資本金:1億円
TEL:092-593-7662
URL:http://www.jp-seafoods.jp

<プロフィール>
井上 陽一(いのうえ・よういち)

 1978年9月生まれ。福岡市出身。創価大学を卒業後、2001年にシステム開発会社CSKに入社。SEとして勤務した後、07年に(株)ジャパンシーフーズに入社。大阪営業所を新設し、13年に副社長、17年9月には社長に就任した。SEのスキルを生かして社内システムを構築するほか、海外事業や付加価値の高い商品開発にも尽力する。

(前)

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