群雄割拠のホテル開発 県外からの福岡進出の狙いは―(後)
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2018年09月10日 09:05

群雄割拠のホテル開発 県外からの福岡進出の狙いは―(後)

市場性が評価され止まらぬ開業ラッシュ

▲ホテルユニゾ博多駅博多口

 9月には博多駅前3丁目で、ユニゾホテル(株)(東京都中央区)が「ホテルユニゾ博多駅博多口」(地上11階建・全217室)を開業する。同ホテルブランドは「大都市中心部の至便な立地において、利便性・機能性に加えて高水準の快適性を提供する、ハイグレードな宿泊特化型ホテル」をコンセプトとしており、「ホテルユニゾ博多駅博多口」においては利便性を追求したくつろぎの空間を特徴としている。

 12月には、中洲5丁目でH.I.S.ホテルホールディングス(株)(東京都新宿区)が「変なホテル福岡 博多」(地上8階建・全102室)を開業する。同ホテルは、エイチ・アイ・エス グループが展開する、最新技術のロボットやシステム活用によって生産性を向上させた、世界一のローコストホテルの実現を目指した異色のホテル。同地への出店理由については、「地下鉄・中洲川端駅から徒歩3分と立地が良いため、メインターゲットである外国人観光客や国内のレジャー観光客からの需要を見込んでおります」(H.I.S.ホテルホールディングス・担当者)としており、開業すれば、外国人観光客が多く往来する中洲エリアでも唯一無二の存在感を発揮しそうだ。

▲変なホテル福岡 博多

 博多駅前2丁目の「博多警察署入口交差点」の角地では、三井不動産(株)(東京都中央区)が「(仮称)博多駅前二丁目ホテル計画」としてホテル建設を進めている。竣工後は、福岡県で初となる「三井ガーデンホテル」となり、ホテル運営は(株)三井不動産ホテルマネジメント(東京都港区)が担当。鉄骨造・地上13階建で客室数は約300室を予定しており、開業予定は19年夏となっている。なお、同ホテルのすぐ隣では、九州旅客鉄道(株)が全238室の客室を備えた「博多駅前二丁目複合ビル(仮称)」を19年秋開業の計画で進めており、両ホテルが開業すれば、2棟の新たなホテルが並び立つことになる。

 16年3月末で休業したJR博多駅筑紫口前の「博多都ホテル」の跡地では、(株)近鉄・都ホテルズ(大阪市天王寺)が「(仮称)近鉄博多ビル」の建設を進めているが、そのなかの中核施設として「都ホテル 博多」(全208室)が19年秋に開業する予定となっている。同ホテルは、伝統と品位を継承する都市型フルサービスホテル「都ホテル」ブランドとして位置付けられており、福岡市の「ハイクオリティホテル建設促進制度」の第1号認定も受けている。「『アジアの交流拠点都市』の形成に貢献するような福岡のリーディングホテルを目指します」(近鉄・都ホテルズ)としており、開業すれば、博多駅筑紫口前の新たなランドマークとなるだろう。

▲(仮称)博多駅前二丁目ホテル計画

 19年春には博多駅前2丁目で、JR西日本グループの(株)ジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)が「ヴィアイン博多(仮称)」(全約200室)の開業を予定している。JR西日本グループでは中期経営計画において、生活関連サービス事業を拡大して、快適なくらしの実現をサポートすることを重点戦略の1つとして掲げており、宿泊特化型ホテルの出店拡大を通じて、沿線外・エリア外を含めた市中への積極展開を進めている。今回の「ヴィアイン博多(仮称)」は、JR西日本グループのホテル事業として九州初出店。「国内のビジネス、レジャーのお客さまはもちろんのこと、近年増加の著しい訪日外国人の方にも快適にご利用いただけるホテルを目指しております」(ジェイアール西日本デイリーサービスネット)としている。

 ホテル宴会場・貸会議室・研修施設などを運営する(株)ティーケーピー(東京都新宿区)も福岡市内で2棟のホテル建設計画を進めている。この2棟のホテルについては、アパホテル(株)(東京都港区)とのフランチャイズ契約を締結することに合意しており、「アパホテル〈TKP博多東比恵駅前〉(仮称)」(全205室)を19年12月に、「アパホテル〈TKP天神大名〉(仮称)」(全267室)を20年2月にそれぞれ開業する。

▲都ホテル 博多

 「九州エリアは訪日外国人の増加や大型イベントの開催などでホテルの需給が逼迫することが多く、TKPの会議室利用顧客の出張などの需要に応えるためにも、TKPによるホテルの出店を強く希望しておりました。今回、地下鉄・東比恵駅に直結した場所と、天神エリアの大名にホテル建設用地を取得したことで、会議と宿泊を融合したハイブリッドホテルとして、福岡市内のTKPの会議室11拠点、会議室数94室、座席数5,737席と連携させ、ビジネスや観光など幅広い需要に応えていきます」(ティーケーピー)。

● ● ●

 全国的にも高い人口増加率や、旺盛な都市開発、訪日外国人旅行客の多さなどを背景に、地元事業者からだけでなく、域外事業者からも熱視線を浴びる福岡市。こうした域外事業者の勢力的な福岡進出が呼び水となり、博多駅周辺や天神などの市内主要エリアでのホテル開発がしばらく続いていくことが予想される。従前より叫ばれていた慢性的なホテル不足の解消に至るかどうかも含めて、今後の開発動向を注視していきたい。

(了)

【坂田 憲治】

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