• このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年10月11日 13:41

私はコレでパチンコ屋を辞めました 元ホール経営者が語る廃業のワケ(前)

 ホール業者の倒産が増えているなか、店舗だけでなく、事業そのものを売却し、パチンコ業界から撤退する業者も少なくはない。九州では、2017年11月、地域トップレベルの大規模店舗「P-ZONE」14店舗を運営していた(株)パラダイスが、関東および東北エリアで「D’STATION」を40店舗以上展開するNEXUS(株)に株式を売却し、話題となった。市場縮小や規制強化などによる業況の変化に対し、ホール経営はどのように行われ、どのような理由で事業撤退や廃業が決断されるのか。最近まで、ホール経営に携わっていた人物を取材した。

市場縮小のなかで増大する設備投資コスト

 ――ホール事業を辞めた理由とは。

 元ホール経営者X(以下、X) ここ数年、ずっと減収が続いていた。加えて、機械代の高騰による設備投資費の増大も大きかった。15年間で1.5~2倍ぐらいにはなっていた。

 ――台の仕組みが複雑になったことで高騰化したのか。

 X それもあるが、市場縮小にともなう販売台数の減少に対し、売上を維持するために販売価格が上がったという面もある。1円パチンコなど低貸スタイルの隆盛もあって販売台数が減った。
 業界における商品を卸す側であり、メーカーの立場は強い。フレッシュな商品であれば客付きは良くなるし、質の高い商品があればホール経営の流れも良い方向に変わっていく。

 ――不人気機種との“抱き合わせ商法”はあったか。

 X ホールは、新台入替をしなければ営業成績が上がらないという現実がある。抱き合わせがあっても嫌とはいえない。

 ――転売で利益を出すホールもあると聞く。

 X 販売数が減っているため、導入段階で評価が上がり、中古価格が高騰化する機種がある。それを欲しがるホールは確実にいる。また、昔に比べて数は減ったとはいえ、新店やリニューアルでは新台は必須だ。

 ――小規模ホールが絶滅した。

 X 会社の規模に関係なく、店舗が大型化した。平米あたりのパチンコ人口が減っているため、広域集客による経営効率化は避けられない。小規模店舗に比べると出店コストは上がるが、その反面、ランニングコストが良い。

 ――いわゆる「パチンコ離れ」を実感していたか。

 X 数字(業績)を見れば一目瞭然。うちが辞めたのは、いくら機械が高騰していても、やはり設備産業である以上、温泉施設やホテルと一緒で、新しくてキレイな店舗が客から好まれるという現実があり、機械だけでなく設備にも金をかけなければいけなかったからだ。資金を調達する必要も出てくる。そうした努力に見合うか、と考えた時に、これ以上は突っ込めない、もう潮時だと感じた。

 ――「潮時」というのは。

 X 市場が縮小しているとはいえ、まだホール事業を続けていこうというパチンコ経営の“プレーヤー”は多い。つまり、今なら自分の店舗を売却する際に買い手がいるということだ。

(つづく)
【聞き手・文:山下 康太】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年08月15日 07:00

コロナ禍で苦境となったカプセルホテル、ナインアワーズが再生へ(後)NEW!

 ナインアワーズが再生を手がけるのは、東京、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏で、かつターミナル駅徒歩数分の立地に限定している...

2020年08月15日 07:00

何が変わるのか?大阪市・水道管路更新コンセッション(後)NEW!

 市担当者は「受け皿となる民間事業者はある。ただ、業務量が膨大なため、単独の企業ではなく、複数企業から成るSPC(特別目的会社)を想定している」と話す...

2020年08月15日 07:00

「ウォーカブル」なまちづくりで神戸市は復活できるか?(4)NEW!

 神戸市の人口は、20年6月時点で151万人。阪神淡路大震災の影響により151万人から142万人まで減少したが、その後は回復を続け、2011年には154万人に達したも...

2020年08月14日 07:00

コロナ禍で苦境となったカプセルホテル、ナインアワーズが再生へ(前)

 「今年の春、カプセルホテルやビジネスホテル、民泊などの宿泊特化型施設の売上は昨年同月比で10%以下にとどまったところが多かった。ナインアワーズでは、カプセル内UV照...

2020年08月14日 07:00

何が変わるのか?大阪市・水道管路更新コンセッション(中)

 この状況を打破すべく、2017年から大阪市水道局は、当初の5年間で耐震性の低い鋳鉄管を集中的に更新した後、次の5年間でペースを倍化し、古いダクタイル鋳鉄管を更新する...

2020年08月14日 07:00

「ウォーカブル」なまちづくりで神戸市は復活できるか?(3)

 基本計画のもう1つの目玉が、都市再生事業(雲井通5丁目再開発)として進めるバスターミナルビルの建設だ...

2020年08月13日 07:00

何が変わるのか?大阪市・水道管路更新コンセッション(前)

 大阪市水道局は、配水管の耐震化促進のため、2018年12月に成立した改正水道法に基づく「コンセッション方式(※)」による管路更新(耐震管への取替え)事業を進めている...

2020年08月13日 07:00

「ウォーカブル」なまちづくりで神戸市は復活できるか?(2)

 15年、神戸市はようやく重い腰を上げた。同年、三宮駅周辺地区の再整備基本構想を策定し、18年には構想に基づいて『神戸三宮「えき≈まち空間」基本計画』をとりまとめ、駅...

2020年08月13日 07:00

オールラウンドなまち福岡・大橋~整備の歴史と今後の開発計画(4)

 今年5月末に「ダイキョーバリュー大橋店」が閉店したほか、6月10日には「ニューヨークストア大橋店」が閉店。エリア内から一気に2店のスーパーが姿を消した。その一方で...

2020年08月12日 17:00

【スクープ】西日本新聞のスポーツ本部長がセクハラで処分 TNC「CUBE」にも出演

 西日本新聞社の「下半身」不祥事が止まらない。既報の通り、7月に社内不倫に絡む事案で記者2人が懲戒解雇されたのに続き、8月に入ってすぐに、報道番組でコメンテーターも務...

pagetop