2024年04月19日( 金 )

造園施工管理技士 実地試験(経験記述)対策

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 今回は、「1級造園施工管理技士」の実地試験(経験記述)について詳しく説明します。試験時間は2時間45分で、必須問題2問、選択問題1問を解答することになります。問題数は少ないですが、時間が足りなかったという方が多いようですので、時間配分に注意してください。以下のような出題があります。

 あなたが経験した造園工事の実例を1つ選び、工事名、工事金額、工期、施工場所、工事概要、あなたの立場を記述し、その工事の品質管理、安全管理のいずれか1つについて、問題点とあなたのとった処置又は対策を簡潔に記述せよ。

細かくポイントを解説します。
必須問題1:経験記述

坂口 智美 代表

【1】工事名:略さず明確に書く。

【2】(1)施工場所:番地まで書く。(2)(ア)工事の契約上の発注者名または注文者名:(イ)と合わせて書く必要があります。たとえば、(イ)会社などの契約上の立場が元請の場合は(ア)は発注者名を書く、(イ)が一次下請なら(ア)は元請(注文者)の会社名を書くことになります。(イ)は解答用紙に(〇印元請、一次下請、二次下請、発注者、そのほか)と記載されているので、会社の立場によって〇で囲ってください。(3)工期:平成〇年〇月~平成〇年〇月(〇日間)と詳細を書く。(4)工事金額または請負代金額:工事の規模は問いませんが、できる限り大きな現場(1,000万円以上)をお勧めします。(5)工事概要(ア)工事内容を5行程で具体的に書く。たとえば「本工事は、南西に斜面を有し…法面からの侵食が著しい所であることから、法面保護の為編柵工を…植栽するものである」などのような、施工内容が見えると良いでしょう。(イ)工事数量は具体的工種、種別、細別、規格、単位、数量、摘要を書く。内容は6行あるので、その行を使って、縦線で区切り表として表現する。もしも工種が多くて6行では納まらないときは、工種のなかでとくに数量が多いものから選びます。摘要欄は支柱など設定した場合、二脚鳥居支柱などを書いてください。(ウ)現場の状況および周辺の状況について5行で具体的に書く。たとえば、道路と現場との位置関係、騒音・振動などの公害防止関係など、次に書く課題と合わせた内容で書きます。

【3】あなたの立場:現場代理人、主任技術者、工事主任などの立場を書く。

【4】工程もしくは品質管理の項目名および課題内容を背景および理由を含めて10行で具体的に書く。たとえば、「先行作業の管理用道路の舗装が降雨の為遅れ…2週間施工開始となり、工程短縮する必要があった」など。

【5】【4】の課題に対して、現場で実施した処置または対策を12行で具体的書く。たとえば、2週間の工程短縮する処置として…「植栽工を2カ所同時並行作業となるため、発注者と協議により、2経路のゲートから資機材の搬入経路の使用了承を得た…このことで6日間短縮した」など、【4】と合わせた文章および数値を書くことが重要です。最後に、工事金額や規格などは、必ず仕様書を確認して書くことにしてください。

<プロフィール>
坂口 智美(さかぐち・ともみ)

1972年生まれ、福岡県出身。学卒後、建設業界へ。建設従事者からの「国家資格は、独学ではなかなか合格できない」という声がきっかけとなり、2001年に工事監理技術者養成センターを大阪で設立。主に出張講習を全国展開し、14年には拠点を福岡(本社)と沖縄(営業所)に移し、社名を(株)建設技術者養成センターに変更。同センターは、生講義で行うことにこだわり、受講生の合格率は90%を超える。(株)建設技術者養成センター 代表取締役。

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