2022年06月29日( 水 )
by データ・マックス

品質・技術の進化で災害に強い屋根へ

(有)金谷洋瓦工事店

築年数が左右する被害の多寡

 屋根工事一筋に、半世紀を超える業歴をもつ(有)金谷洋瓦工事店。福岡県内だけでなく県外からの受注実績も数多く、金谷宏之代表を始め熟練した技術者および同社専属の職人による高い施工力での繊細で丁寧な仕事ぶりは、施主はもちろん、業界でも高い評価を受けている。

 近年、日本各地で甚大な被害をもたらす自然災害が頻発しており、なかには建築物の全半壊といった被害が生じるケースも少なくない。同社においても、こうした自然災害で被害を受けた屋根の補修・改修などの施工依頼が激増。「弊社だけでなく同業者でも、こうした被災した屋根に関する工事依頼が増えているようです」(金谷代表)という。

 また、「総じて、築年数の古い家屋や建築物の屋根での被害が多い傾向にあります。とくに、屋根が飛ばされるなどの被害を受けた建築物の大多数は、築20年以上です」と話すように、こうした自然災害時の屋根への被害の多寡は、屋根の種類よりも築年数に左右されるという。全国的には1995年の阪神・淡路大震災を境にして、法整備とともに戸建住宅を含めた建築全体の見直し・改善が実施された。そのため、以降の建築物は比較的災害に強くなっているといい、「築20年以上かどうかが、1つの目安になります」と金谷代表はいう。

被災前に屋根の見直しを

 では、まだ築年数が20年に満たない建築物の屋根は、どうなのだろうか――。

 「さすがに、土地が大規模に隆起するようなレベルの大地震に襲われると厳しいですが、最近の屋根は、ある程度の規模の地震や台風、大雨などには十分耐えられる仕様になっています」(金谷代表)。

 以前の戸建住宅の屋根工事は、棟瓦(むながわら)を湿式工法で施工するやり方が主流だった。湿式とは土・粘土がベースで漆喰を用いた屋根の施工法で、見た目が美しく壮観ではあるものの、昨今のような大規模な自然災害に見舞われると、脆弱性を露呈してしまうという。「先の熊本地震で崩れた屋根も、そのほとんどが湿式での棟瓦だったようです」(金谷代表)。

 一方で、近年増えてきているのは、乾式工法で施工されている屋根だ。乾式とは桟木とステンレスの金具などで瓦を固定する工法のこと。加えて、屋根に負担をかけない軽量化された瓦を併用することで、自然災害や過酷な真夏の暑さ、冬の大雪にも耐えられる品質・技術へと進化しているという。

 「よく台風などのニュース映像では、強風で瓦が飛ぶシーンが使われたりしています。報じる側としては強風の度合いがわかりやすく、一般の方にもイメージしやすいということでそうしたシーンが使われるのでしょうが、瓦が飛ぶような強い台風であれば、板金の屋根であっても飛ばされます。瓦が災害に特別弱いわけではありません。それに、今では瓦や板金も進化・発展しているため、ちょっとやそっとの自然災害は問題ありません」(金谷代表)。

 甚大な被害をもたらす自然災害の発生が珍しくなくなった現在、築年数が経過した建築物にお住まいの方は、被災する前に、屋根の見直しなどを検討してみてはどうだろうか。

<COMPANY INFORMATION>
(有)金谷洋瓦工事店

代 表:金谷 宏之
所在地:福岡県那珂川市五郎丸1-57
設 立:1967年3月
TEL:092-953-5300
URL:http://www.kanaya-kawara.co.jp

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