2024年04月19日( 金 )

ミドリムシ摂取で肝硬変・肝臓がんリスクにつながる「非アルコール性脂肪性肝炎」の抑制作用

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
肝臓のα-SMA陽性面積率

 ユーグレナ(本社:東京都港区、出雲充社長)は4日、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下ユーグレナ)粉末と、ユーグレナ特有の機能性成分であるパラミロン粉末の継続摂取試験で、肝星細胞の活性化を抑え、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の肝臓の線維化が抑制されることを示唆する研究結果を確認したと発表した。

 非アルコール性脂肪性肝炎は「肝臓のメタボリックシンドローム」ともいわれる脂肪肝から生じる炎症性疾患。症状が進行すると肝臓が線維化し、肝硬変や肝臓がんの発症につながる可能性があるという。今回の研究は、ユーグレナ粉末とパラミロン粉末の継続摂取による肝臓の線維化抑制に関するメカニズム解明が目的。
 コラーゲン線維を産生することで硬くなり、肝臓の線維化を起こす原因の1つになる細胞である、肝星細胞の活性化に関わる「α-SMA(内臓などを構成している結合組織と呼ばれる部分が異常増殖する現象)」の免疫染色(特定の物質を検出するための手法の1つ)による陽性面積率の確認を行った。

 試験は非アルコール性脂肪性肝炎を発症させたマウスを、(1)通常のエサのみを摂取させたコントロール群、(2)ユーグレナ粉末を加えたエサを摂取させたユーグレナ群、(3)パラミロン粉末を加えたエサを摂取させたパラミロン群に分け、それぞれ7日間経口摂取させた後、肝臓のα-SMAの免疫染色の陽性面積率を比較した。

 結果、(2)と(3)については(1)と比べ、α-SMA免疫染色の陽性面積率が約40%減少し、ユーグレナ粉末またはパラミロン粉末の継続摂取が肝星細胞の活性化を抑制し、肝臓の線維化の抑制を示唆することを確認した。なお今回の研究成果は、米国の学術誌「Food Science & Nutrition オンライン版」にも掲載されている。

関連キーワード

関連記事