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2019年01月22日 09:57

設立60年の地場業界老舗 和を尊び、より進化させていく(前) 時代を紡ぐ企業110社 

進興設備工業 (株)

創業の心を伝承する風土

 給排水衛生設備・空調換気設備工事を手がける地場の総合設備工事業者である。1951年1月に、初代代表の的野傳氏によって創業され、59年3月に法人改組した。創業期より約30年に渡り紆余曲折があり、決して良好な経営状態であるとは言い難い、苦しい時期が続いた。それでも同社社員が真摯に向き合い心と技を磨き続けた結果、同社の業績が好転し、財務体質が年々強靭となり、地場業界トップクラスの卓越した企業に進化・成長した。

 超優良企業として地場建設関係業界にて一目置かれる存在となり、2013年4月に4代目の代表取締役社長に就任したのが、現代表の大野史朗氏だ。

 大野代表は、同社一筋の生え抜きである。入社以来一貫して工事部門の道を歩み、代表就任前は取締役工事部長を勤め、だれもが認める施工におけるエキスパート。同社の品質と技術の高さは業界内の誰もが知るところだが、その最前線を担ってきたのが大野代表その人なのだ。創業者から2代目、3代目と受け継がれた同社を、現場での実務と企業のマネジメント双方で、その時代の経営陣とともに汗水流したのが大野代表である。つまり、大野代表は苦しい時代、進化・成長の時代、そして現在に至る発展期を歩み、体験してきた。

 大野代表は就任から一貫して、「私の使命は2つで、まずは企業内容を一段と向上させることです。過去3代の社長と先輩たちが地道につくり上げてきた我が社は、まだまだ成長できます。もう1つは、次の後継者を育て上げることです」としている。同社を支え、築き上げてきた先人を敬い、先人がつくり上げた企業風土を伝承し、次の時代の担い手を育成しながら事業を盤石なものにする。

元請と下請50%と自社施工力の充実

 現在の同社の事業は、元請である改修工事と新築工事(主に地場ゼネコンからの下請工事)がそれぞれ50%である。この割合は長年変わらない。改修工事は、今や築40年から半世紀が経過したマンションなどの建物が年々増え続ける。同時に建物の設備も老朽化が顕在する。現在はそれらの建物をリノベーションなど、建物そのものを生かしながら、設備や内装を一新するという考えの所有者が増えつつある。同社の設備改修工事は、マンション管理組合からの受注がメインである。管理組合は一般個人顧客により結成される団体である。組合との関わりは、顧客からの安心と信頼感を構築していくことが大切となる。マンションだけでなく、各種ビル建物のオーナーに対しても同様だ。

進興設備工業 (株) 代表取締役社長 大野 史朗 氏

 「これまで先輩や仲間がつくり上げてきた仕事の賜物です。近年は、改修工事のニーズが高まっております。どの企業も取り組んでいなかった時代から我が社が、いち早くこの分野に対して準備し、取り組んできたことが、実を結んでおります」(大野代表)と同社の改修工事は、どこよりも群を抜いた実績を残している。その裏付けは、同社の先見の明による事業構築とともに、自社施工力が充実していることが挙げられる。「我が社は、自社の施工部門で工事を手がけるという強みをもっております。通年20名前後の組織を編成し、対応できるところが特色です。同社の社員がすべて施工することで、お客さまから安心していただけています」(大野代表)。同社の自社施工は、顧客のオーダーをすぐに反映できること。そして自社施工を支える、営業企画と工事管理部門と一体となったマネジメント力が反映されている。

 新築工事においても、自社施工部門が活躍している。自社施工部門をヘッドに、同社の協力専門工事業者と融合したチームを編成し、高い品質と技術を提供するのである。「現在は、お客さまから担当者を指名されて仕事をいただくケースが増えてきております。ありがたいことです」(大野代表)。改修工事と同様に発注主から厚い信頼を得ている。

 自社施工を有するためには、通常のマネジメントの約1・5~2倍の経費を要する。そのため一時は、自社施工の体制をあきらめて、すべて下請に転換することも検討された。それでも「『優秀な技術・誠意ある施工・迅速なアフター』とする我が社の経営の信念と哲学において、自社で施工することが生命線であるとの結論で、継続となりました」(大野代表)と、地場業界をリードする原動力となっている。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:大野 史朗
所在地:福岡市南区玉川町4-2
設 立:1959年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-551-6883
URL:http://www.shinkoh-s.com

<プロフィール>
大野 史朗(おおの・しろう)

 2013年4月に生え抜きの工事部長から4代目の代表取締役に就任。創業者の的野家そして経営を再建した舩津イズムを実践し、地場でも有数の設備工事業の同社を牽引している。
 

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